研究課題/領域番号 |
63540405
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
大久保 正夫 佐賀大学, 理工学部, 教授 (30039276)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | チッソ-マグネシウム反応剤 / アリールイミノジマグネシウム / 一電子移動効率 |
研究概要 |
表題のN-Mg反応剤であるアリールイミノジマグネシウムの反応機構の研究は、これがC-Mg反応剤であるアリールマグネシウムより穏やかな電子供与能をもち、種々の予想される反応支配因子が見出され興味深い。当面解明さるべき重要な反応として、ニトロベンゼンおよびベンジルとの反応があり、本研究課題の当初の目的として、前者との反応に焦点をあて、(1)生成物分布の精査、(2)反応熱測定、(3)電子スピン共鳴(ESR)測定による機構の前面的解明をあげた。(1)については、基質・反応剤側の長鎖アルキル置換基の効果、オルト位陰性置換基の効果、オルト位ヒドロキシ置換基の効果を精査し、反応剤分子の会合体の形成が一電子移動効率を大きく変動させる事実を見出し報告した。(2)については、すでに提案した基質・反応剤の還元・酸化電位の組合せを基礎とする相対的一電子移動効率によるマグネシウム反応剤の諸反応の性格づけと分類にもとづき、この分類から選んだ典型的な基質・反応の組合せ8種について反応熱測定を行い、分類と合致する相対発熱量の系列を見出し、有機反応化学討論会に報告した。(3)については、本学の旧型電子スピン共鳴装置(設置後15年経過)の検出器の性能低下のため、複雑な超微細構造をもつスペクトルを与えるニトロベンゼンとの反応の研究に活用できず、平成元年度に特越した。しかし、比較的単純なスペクトルがベンジルとの反応において観測され、上記(2)の分類のなかで特異な位置を占めるベンジルとの反応生成物分布を精査し、ESRの結果とあわせて二段階電子移動の第1および第2段階におけるキレート(またはシグマ錯体)形成効果の関与の程度の差異にもとづいて機構の解明をほぼ完了し、投稿準備中である。ESR装置の検出基部分の交換による性能回復を早急に実行し、(1)(2)の結果とあわせて、ニトロベンゼンとの反応機構の解明に着手する予定である。
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