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電極反応を用いる有機ケイ素化合物の電子移動反応

研究課題

研究課題/領域番号 63540408
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 有機化学一般
研究機関大阪市立大学

研究代表者

吉田 潤一  大阪市立大学, 理学部, 助手 (30127170)

研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード電極反応 / 有機ケイ素化合物 / 電子移動反応 / βー効果 / 合成等価体 / コンホメーション
研究概要

電極反応を利用した有機ケイ素化合物の電子移動を詳しく検討するとともに、その特性を生かした簡便かつ高選択的な合成反応を開発する目的で研究を行った。
オレフィンのアリル位やヘテロ原子の隣の炭素にシリル基を導入すると酸化電位が著しく低下することを見出した。この効果は電子移動に対するケイ素のβ効果とみることができ、その原因を明らかにするため、分子軌道計算を用いて解析を行った。その結果、ケイ素が電子移動により生成するβ位のカチオンラジカルを安定化する効果は小さく、むしろ電子移動が起こる前の中性分子において炭素ーケイ素σ結合とオレフィンやヘテロ原子のp軌道が相互作用することによりHOMOのエネルギーが上昇することが大きな要因であると示唆された。したがって、この効果は分子のコンホメーションにより大きく影響をうけ、コンホメーションの固定した分子を合成し酸化電位を調べたところ、炭素ーケイ素結合とp軌道が重なりやすい系では酸化電位が低く、そうでない系では酸化電位が高いという結果が得られた。
このような知見をもとに、合成反応への応用を試みた。ケイ素はα位のアニオンを安定化することが知られており、MeOCH_2SiMe_3やMeOCH(SiMe_3)_2などから容易にカルバニオンを発生させることができ、有機ハロゲン化物やカルボニル化合物など種々の親電子試薬と反応させることができる。得られた化合物のO-C-Si部分は酸、塩基、化学的な酸化剤に安定であるので、この部分に影響を与えずに種々の化学変換を行うことが可能である。必要な変換を行った後、電極反応を行うことにより温和な条件でO-C-Si部分をアルデヒドやエステルに変換することに成功した。以上のことから、有機ケイ素化合物の電子移動反応の特性を生かした全く新しいタイプの合成等価体を開発することができた。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 吉田潤一: Tetrahedron Letters. 30. 219-222 (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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