研究課題/領域番号 |
63540420
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天然物有機化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤本 善徳 東京工業大学, 理学部, 助手 (50173472)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 昆虫ステロール / ステロール代謝 / 炭素一炭素結合切断反応 / 転位反応 / プロキラリティ / 反応機構 / ルイス酸 / 酵素反応のメカニズム |
研究概要 |
ルイス酸触媒による鎖状3置換エポキシドの転移反応機構に関して重要な知見を得た。また、酵素的な fucosterol epoxide のdesmosterolへの変換反応についてプロキラルなメチル基の挙動を明らかにした。 1.26-メチル基を#Cで立体選択的に標識した desmosterol benzoate epoxide を合成した。これをそれぞれベンゼン中BF_2・Et_2Oによる転移反応に付し、生成物ケトン体(1)およびアルデヒド体(2)の13C-NMR分析により転位先での立体化学を明らかにした(右式)。 2.26-および27-メチル基を13Cで立体選択的に標識した fucosterol benzoate 24R、28R-epoxideを合成した。これをそれぞれ同様な転位反応に付し生成物ケトン体(3)、アルデヒド体(4)、desmosterol benzoate(5)の問題となる不斉中心の立体化学を明らかにした(下式)この結果、3置換 epoxideのBF_3・Et_2O、による転位反応において水素が転位する場合はretentionで、アルキル基が転位する場合は、inversionで見かけ上反応が起こっていることが示された。また、5はいずれのメチル基にも同等に13Cが分布しC-25カルボニウムイオン経由で生成するものと考えられる。 3.カイコ5齢幼虫より調整した無細胞酵素系で13Cキラル標識fuco-sterol 24R128R-epoxideをインキュハートし生じた desmosterolの13Cの分布を調べた。この結果、pro-Rメチルは立体特異的に(E)-メチルになることが分かった。
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