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菌体膨出誘起物質バルジシンの合成および構造一活性相関の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63540424
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 天然物有機化学
研究機関大阪大学

研究代表者

若宮 建昭  大阪大学, 理学部, 助教授 (10028243)

研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードバルジシン / 菌体膨出部誘起物質 / 新アミノ酸バルジシニン / βーラクタム抗生物質 / 抗菌活性増強物質 / 接触水素移動還元
研究概要

バルジシンはある種のβーラクタム抗生物質と合わせて用いると、大腸菌のような細菌にバルジ(膨出部)形成とよばれる形態変化を誘起し抗生物質の抗菌活性を増強する化合物である。しかしながらこの化合物単独では全く抗菌作用を示さないという興味ある性質を有している。われわれはバルジシンの構造と特異な活性に興味を持ち、数年前よりその合成群研究を開始し、本年度ようやく全合成を完了した。
まずバルジシン合成に必要となる新アミノ酸バルジシニン((2S,4S,5R)ー4ーヒドロキシー5ーヒドロキシメチルプロリン)の合成経路を確立し、原料アミノ酸として十分な量を調製した。次に、われわれが以前に行ったバルジシンアナログの合成法に基づいてNーアセチルグルコサミン部分とバルジシニン部分をオキサゾリン法で縮合したが、今回触媒として用いるPートルエンスルホン酸の結晶水を除去し、完全な非水条件下でオキサゾリン誘導体の分解をできるだけおさえるように工夫し、縮合収率を何上させることができた。さらに、接触還元による最終脱保護の段階で、通常の加圧還元条件ではバルジシニンの5位ヒドロキシメチル基の保護に用いたベンジルオキシメチル基がバルジシニンのイミノ基に転位した後還元が進行し、Nーメチルバルジシンが、生成した。この予期せぬ副反応を防ぐために種々条件を検討した結果、ギ酸アンモンと水酸化パラジウムを用いる接触水素移動還元により目的を達成できることがわかった。
以上のように天然バルジシンの全合成に成功すると同時に、今回偶然に副成したNーメチルバルジシンが天然物より弱いながらもバルジ形成作用を有することがわかり、以前に調製したデヒドロキシメチルバルジシンが全く活性を示さなかったことから、バルジシンの活性発現にはバルジシニンの5位ヒドロキシメチル基が重要であることがわかった。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tateaki Wakamiya: Peptides 1988.(1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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