研究課題/領域番号 |
63540432
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天然物有機化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
植木 正彬 東京理科大学, 理学部, 教授 (30084304)
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研究分担者 |
小山田 秀和 東京理科大学, 理学部, 助手 (80191972)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | N、N-イソプロピリデンジペプチド / 固相ペプチド合成 / 保護基 |
研究概要 |
長鎖のペプチドの合成に遺伝子工学の手法が有効なことは確かであるが、多数のアナローグの入手には合成的な手法が不可欠である。近年、固相法による自動合成装置の開発が進み、アミノ酸残基数十個のペプチドの合成が比較的容易になってきた。しかし、合成可能なペプチド鎖の長さには自ずと限界があり、より長鎖のペプチドを合成するには新しい発想が必要と考えた。ジペプチドの2つの窒素原子の橋架けした構造をもつ誘導体は、形の上ではフタロイルアミノ酸と類似した保護アミノ酸と見倣すことができ、その橋架け部分の構造を、一般のペプチド合成に用いられる温和な酸または塩基性の試薬によって除去できるものの中から選べば、ラセミ化を伴わないステップワイズな合成法の利点を保持して、アミノ酸を1回の反応で2個ずつ導入することが可能となり、合成所要時間を半減し、かつ合成限界鎖長を2倍延ばすことができることになる。そこで、本研究ではその橋架け部分の構造について検討した。 既にイソプロピリデン基でジペプチドを架橋する方法が知られているが、この基の除去条件は固相法には適さない。この点が改良されれば、最も早い応用が可能と考え、イソプロピリデン基の除去条件を広範に再検討した。その結果、酢酸やトリフルオロ酢酸とメタノールの混合液を用い、50〜60℃で反応を行うことにより、ある種のジペプチド誘導体では比較的速やかに除去が可能であった。しかし、その除去速度はジペプチドの構造に大きく依存し、迅速かつ一般的な迅速条件を確立するまでには至らなかった。この結果は、除去の難易にペプチド結合のカルボニル基の存在の影響が大きいことを示唆するものである。この点は他の橋架け構造にも共通する問題点と考えられる。そこで、今後は、このカルポニル基を還元し、還元生成物をプソイド(CH_2-NH)結合をもつペプチドの合成に利用する方向へ転換することがよいとの結論を得た。
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