研究課題/領域番号 |
63540460
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
佐々木 義明 山口大学, 理学部, 助教授 (00034710)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 分子量 / 溶媒抽出 / 抽出機構 / タリウム(I) / 鉛(II) / 亜鉛(II) / カドミウム(II) / ジアルキルジチオリン酸 |
研究概要 |
1.分子量測定による溶媒抽出機構の解明 溶媒抽出された錯体が有機相中で解離あるいは会合するのかどうかを有機相における錯体の平均分子量から解明し得ることを示すのが本研究の第一の目的であった。他の実験事実から有機相中で二量化することが判明したタリウム(I)-ジエチルジチオリン酸錯体について、トルエン中での平均分子量を測定した。得られた平均分子量は、期待どおり、錯体の全濃度の増加とともに増加し、二量化反応の存在を明確に示した。また、これらのデータを解析し二量化定数を求め得ることもわかった。一方、二量化反応の証拠が見い出せない鉛(II)-ジアルキルジチオリン酸錯体についての測定では、観測された平均分子量は錯体濃度に依存せず、かつ、単量体の分子量に相当する値を示した。以上のことから、本手法の有用性を実証できたと考えている。今後は、解離反応の系にも適用し得ることを実証したい。 2.金属-ジアルキルジチオリン酸錯体の抽出機構および錯生成定数 取り上げた錯体はタリウム(I)、鉛(II)、亜鉛(II)およびカドミウム(II)のジメチル-、ジエチル-、ジプロピル-およびジブチルジチオリン酸錯体で、これら錯体のクロロホルムおよびヘキサン抽出について研究した。錯体の抽出におよぼす諸因子(pH、配位子濃度、金属イオン濃度、共存塩濃度など)の影響を主として平衡移動法で調べた。また、可能なものについては、錯体を合成・単離し成分分析や分子量測定を行った。その結果、これら錯体の抽出機構が解明され、また、錯生成定数、二量化定数、分配定数などの熱力学的諸定数の値が得られた。今回あらたに得た知見を従来からの知見に加えることができ、ジアルキルジチオリン酸の配位子としての特質をより一層解明できたと考えている。なお、計画していた水銀についての研究は、今後引き続き行う予定である。
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