研究課題/領域番号 |
63540462
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
北川 豊吉 大阪市立大学, 理学部, 教授 (40046842)
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研究分担者 |
土江 秀和 大阪市立大学, 理学部, 助手 (30137187)
市村 彰男 大阪市立大学, 理学部, 助手 (50047396)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | レニウム / チオカルバミン酸錯体 / 電極反応 / 酸化還元電位 |
研究概要 |
7族の第三系列のレニウム(Re)は+7価から-1価までの酸化数をとり、豊富な酸化還元の化学を与えているが、その電気化学的研究はあまり行なわれていない。酸化還元的に興味あるジチオカルバミン酸を配位子とするレニウム錯体を取り上げ主として電気化学的挙動を明らかにした。 1.ReCl_3(CH_3CN)(PPh_3)_2とジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムを反応させたところジエチルチオカルボキサミドの配位したレニウム(III)錯体Re(S_2CNEt_2)_2(SCNEt_2)(PPh_3)Aが得られた。またこのものをフェリシアン化カリウムで酸化したところ、レニウム(IV)錯体〔Re(S_2CNEt_2)_2(SCNEt_2)(PPh_3)〕ClO_4Bが得られた。B錯体については結晶解析を行ない、五角両錐の7配位講造をとっていることが明らかとなった。チオカルボキサミドが配位したレニウム錯体の例は初めてであり、また電気化学測定からA(III)【double half arrows】B(IV)の相互変換は可逆な一電子過程であることが分かった。 2.オキソおよびイミド結合をもつレニウム(V)ジチオカルバミン酸錯体を合成し、非水溶媒中での電気化学的挙動を検討した。合成した錯体は、trans-〔[ReO(S_2CNR^1_2)_2]_2O〕およびtrans-〔[Re(NR)(S_2CNR^1_2)_2]_2O〕でR=phenyl,P-chlorophenys,p-tolxl,p-methoxyphenylでありR′はEtおよびPhである。すべての錯体は一電子還元を生じ、後続化学反応によってμ-oxo bridgeの解裂をともない分解する。イミド錯体はオキソ錯体に比べて還元されにくくなり、一電子還元生成物の安定性も減少する。またイミド錯体内での酸化還元電位の比較によると、置換基Rの電子供与性が増加すると、還元されにくくなっている。赤外吸収の結果を考慮することにより、還元部位は、μ-oxo bridgeではなくレニウム中心であることが明らかになった。
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