研究課題/領域番号 |
63540463
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分析・地球化学
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
長谷川 佑子 東京理科大学, 理学部, 助教授 (20084303)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | ランタノイド / 溶媒抽出 / 錯形成熱 / プロトン化熱 / 付加錯体生成 / α-ヒドロキシカルボン酸 / フェニル酢酸 / α-フェニル乳酸 / α-メトキシフェニル酢酸 / サリチル酸 / マンデル酸 / 安息香酸 / σ-メトキシ安息香酸 |
研究概要 |
i)α-ヒドロキシカルボン酸の母体であるフェニル酢酸は安息香酸とほぼ等しい2相間分配定数を示すが、2量体生成、水溶液でのランタノイド(III)との錯形成、有機溶媒中での付加錯体生成はいずれも安息香酸より起こりにくい(裏面11、ref.1に投稿済) ii)フェニル酢酸と安息香酸に水酸基を導入したマンデル酸とサリチル酸のプロトン化熱とランタノイド(III)の錯形成熱をそれぞれの親の酸の熱量変化と共に滴定型熱量計で測定した。プロトン化熱はマンデル酸のみ吸熱で他は発熱。一方、錯形成熱はマンデル酸のみ発熱、他は吸熱。吸熱の程度はフェニル酢酸錯体【greater than or equal】安息香酸錯体>サリチル酸錯体の順であった。マンデル酸錯体ではNdIII付近に極小値。TbIII付近に極大値をもちその後重希土になるほど発熱の程度が大きくなる。他の酸では軽希土では金属の種類によらず錯形成熱はほぼ一定であるが、中希土以降は重希土ほど吸熱の程度が大きいところがマンデル酸と最も大きく異なる(第7回希土類討論会で発表 iii)上記の酸が有機相中でランタノイド(III)のテノイルトリフロロアセトンとのキレートと作る付加錯体の生成定数を泪ラジオアイソトープを使った溶媒抽出法を使って測定した。同じ酸濃度のときには付加錯体生成による分配比の増加はLa>Eu>Ybと軽希土ほど大きい。また、金属イオンが同じ場合にはα-フェニル乳酸>α-メトキシフェニル酢酸>安息香酸>フェニル酢酸>サリチル酸>O-ヒドロキシ安息香酸の順に付加錯体は安定である。(投稿論文作成中) 本年度は主として上記の3つの点について調べ、α-ヒドロキシカルボン酸が、水溶液中でも有機溶媒中でもランタノイド(III)と作る錯体は他の有機酸に比べ安定であり、ランタノイドの相互分離試薬として有望であることを明らかにしたばかりでなく、溶液化学的に有用な知見を多数得た。
|