研究課題/領域番号 |
63540469
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機・錯塩・放射化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
荻野 博 東北大学, 理学部, 教授 (00004292)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 金属クラスター / キュバン型クラスター / 二核錯体 / 四核クラスター / ジチオレン / 有機金属クラスター |
研究概要 |
本研究においては種々のシクロペンタジエニル誘導体を用いた。以下、このような誘導体をCp*と略記し、また、C_5H_<5->およびC_5Me_5-をそれぞれCpおよびCp'と略記して、研究実績の概要を述べる。 1.カルコゲンを含む二核錯体およびキュバン型クラスターの合成 Cp*=C_5Hn(SiMe_3)_<5-n>(n=1,2)を含む〔Cp*_2Fe_2(Co _4〕(1__〜)とS_8とを反応させた。n=2のものについて〔Cp*_2Fe_2S_4〕型二核錯体(2__〜)を得ることち成功し、その構造をX線解析により明らかにした。n=1についてはn=2の場合よりもはるかに温和な条件においても〔Cp*_4Fe_4S_6〕キュバン型クラスターが比較的良好な収率で生成する。この結果はCp環に導入した置換基の崇高さが生成物として1__〜型錯体を与えるのか、2__〜型クラスターを与えるのかを決めていることを示しており、重要な知見を得たと考えている。 2.〔Cp_4Fe_4S_4〕(PF_6)_3(3)の合成と単離 骨格電子数17の2番目の例である3の合成と単離に成功した。なお、骨格電子数17の最初の例も以前に我々が合成単離したものである。 3.二核錯体からキュバン型クラスターへの交換とその反応の機構、ジフェルニルアセチレン(4__〜)と〔Cp′_2Fe_2F_4〕(5__〜)を反応させたところ、〔Cp′_2-(ジフェルニルジチオレン)_2Fe_4S_4〕(6)という珍しい混合配位子キュバン型クラスターを得た。5__〜の代わりに〔Cp′_2Fe_2(CO)_4〕(7)とS_8とを用い、4__〜を反応させても6__〜が生成した。4__〜の代わりにフェニルアセチレンを用いたり、7__〜の代わりに〔Cp_2Fe_2(CO)_4〕を用いた場合にも6__〜に対応するキュバン型クラスターが得られた。1〜3の結果を総合的に解析し、〔Cp*_2Fe_2-(CO)_4〕(8)とS_8とから〔Cp*_4Fe_4Sn〕が生成する反応や8__〜、S_8およびアセチレン類からジチオレンを含むキュバンが生成する反応は、いずれも中間体として〔Cp*_2Fe_2S_4〕の生成を経るものと結論した。
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