研究課題/領域番号 |
63540497
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機・錯塩・放射化学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
山口 敏男 福岡大学, 理学部, 助教授 (70158111)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ランタニド / イオンの水和 / 中性子回折 / 同位体置換 / 同形置換 / 溶融塩 / 硝酸アンモニウム / 溶液構造 |
研究概要 |
高エネルギー物理学研究所ブースター利用施設のHIT分光器を用いてNa-Pr、Dy-Tb、Tm-Yb過塩素酸塩の重水溶液の中性子散乱測定を行った。同形置換法により解析した結果、Dy(III)およびYb(III)イオンの水和数はともに8であった。また、結合距離はDy-O=2.37〓、Dy-D=3.04〓、Yb-O=2.36〓、Yb-D=2.97〓であった。水分子の双極子は金属ー酸素原子軸に対して20〜30度傾いている。英国のラザフォード・アプレトン研究所の分光器LADを用いて、Nd-Pr、^<148>Sm-^<152>Sm、^<166>Er-^<167>Er過塩素酸重水溶液の中性子回折実験を行った。水溶液中のランタニド(III)イオンの水和構造について、本研究で得られた結果とEXAFS法の結果とはよく一致した。軽希土イオン(La-Nd)では水和数は9であり、重希土(Gd-Lu)では8であった。中希土イオン(Sm-Eu)では9と8の平衡が存在する。配位水分子の配向は軽希土から重希土まで大きな変化はなく、双極子は金属ー酸素原子軸に対して約20°〜30°傾いている。LAD分光器により、^<NAT>ND_4^<NAT>NO_3、^<NAT>ND_4^<15>NO_3、^<15>ND_4^<NAT>NO_3、^<15>ND_4-^<15>NO_3各溶融塩の中性子回折を行った。同位体置換法により解析した結果、硝酸イオンの分子内構造を決定した。また、分子間相互作用については、動径分布関数に顕著なピークが現れず、アンモニウムイオンと硝酸イオンの相互作用は強くないことが明らかになった。仏国のラウエ-ランジェバン研究所において、硝酸カルシウムー硝酸アンモニウム混合溶融塩(N原子を同位体置換)の中性子回折実験を行った。同位体置換法により、硝酸イオンの周りの構造に及ぼす添加塩の効果を調べた。英国のラザフォード研で開発された吸収、多重散乱補正のプログラムを移植し、わが国のユーザに提供した。同試料のデータに対して、性能を比較した結果、LAD分光器の分解能はHIT分光器に比べて優れていることが分かった。HIT分光器の改良点を明らかにした。
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