研究課題/領域番号 |
63540500
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
沓掛 和弘 東京大学, 理学部, 助手 (90143362)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 細菌べん毛 / べん毛レギロン / 遺伝子発現 / 転写調節 / 調節タンパク質 / 脱抑制型突然変異体 / 試験管内転写系 / タンパク質精製 / べん毛レギュロン |
研究概要 |
1.サルモネラへん毛レギュロンの全体像を明らかにした。それによれば、べん毛オペロンは転写発現の階層性構ら3つのグル-プ(第1群、第2群、第3群)に大別できる。第3群は、第2群のfliA遺伝子産物による正の制御を受けているとともに、新しく同定された遺伝子fliBの産物による負の制御を受けている。fliB遺伝子自身も第3群に属している。2.fliA遺伝子をクロ-ン化しその構造解析を行ったところ、FliAタンパク質はRNAポリメラ-ゼのシグマ因子と高い相互同性を示すことがわかった。単離・精製したFLiAタンパク質はin vitroにおいてコア酵素によるべん毛遺伝子の転写を促進することから、FlIAタンパク質はシグマ因子であると結論された。3.rf1B遺伝子をクロ-ン化し、その構造解析を行った。その結果、rf1B遺伝子産物は、97アミノ酸からなる塩基性のタンパク質であることがわかった。単離・精製したRf1Bタンパク質は、in vitroで転写阻害作用を示すことが証明された。4.第3群のオペロンの脱抑制型突然変異体を多数分離した。遺伝解析の結果、それらの中にはrf1B遺伝子に欠損を持つものに加えて、少なくとも2種類の突然変異体が存在することが判明したので、これらをrf1Cおよびrf1D突然変異体と命名した。rf1D突然変異はf1iA遺伝子内に位置づけられ、rf1Bとf1iA遺伝子産物間に何らかの相互作用が存在することが示唆された。一方、rf1C突然変異は既知のべん毛遺伝子群とは隔たった染色体領域に位置づけられた。5.rf1B欠損株では第3群だけでなく第2群のべん毛オペロンの転写活性も著しく上昇しており、これにfliA突然変異が共存すると活性上昇がみられなくなることがわかった。このことから、べん毛レギュロン全体がF1iAによる正の制御とRf1Bによる負の制御を受けているものと結論された。
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