研究課題/領域番号 |
63540501
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
丹羽 修身 京都大学, 理学部, 助手 (70144318)
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研究分担者 |
柳田 充弘 京都大学, 理学部, 教授 (80025428)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 分裂酵母 / 動原体 / ミニ染色体 |
研究概要 |
分裂酵母染色体動原体は反復DNA配列を多く含むので、染色体ウォーキングのような方法での構造解析は困難である。本研究では大腸菌などへのクローニングを用いないで、ゲノム構造を直接解析する方法を開発した。分裂酵母ゲノムには8塩基対認識制限酵素NotIの切断位置は14ケ所しかない。そこで相同組換えによるプラスミドの組込み形質転換を利用して、動原体近傍にNotI認識DNA配列を導入した。次にNotIで完全消化後、別の制限酵素で限定分解し、DNA断片をPFGで分離、プラスミドDNAをプローブとしてサザン法で調べた。この方法で分裂酵母の3本の染色体の動原体における、反復DNA配列の構造とその配置が解明された。本研究で用いたミニ染色体が含むcen3は120kbの領域に約6kbの単位が10数コピー含まれていた。我々が先に作成した120kbのミニ染色体Ch10はまさにこの領域のみを含む。Ch10DNAの末端は、両側とも、復配列の内部にあった。Ch10DNAに上述の方法でNotI切断配列を導入し、構造を解析した。その結果、染色体III動原体と基本的に同じ構造をもつことが確められた。Ch10に遺伝的マーカーを導入して有系分裂における安定性を測定したところ、脱落の頻度は分裂あたり0.1%以下であった。Ch10は有糸分裂だけでなく減数分裂においても安定に保持されるが、相同染色体の対合能はほぼ完全に失っているようである。一方、動原体反復領域の全部を含む150kbのDNAを、530kbのミニ染色体から一段階遺伝子置換法で除去し、400kbの直線状DNAを作成した。これは予想通り極めて不安定であり、分裂あたり0.2以上の頻度で脱落した。以上の結果から、反復配列領域だけで動原体機能を果せること、この領域の存在が染色体の安定化に必須であることがわかった。今後はさらに細かい領域に欠失を導入するなどして、動原体機能に必須のDNA配列を同定する必要がある。
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