研究課題/領域番号 |
63540506
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝学
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
松本 幸次 上智大学, 理工学部, 講師 (00119140)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | DNAポリメラーゼ / 蛋白質プライミング / 塩基配列 / アミノ酸配列 / 相同性解析 / アフィディコリン耐性突然変異 / dNTP結合領域 |
研究概要 |
M2DNAポリメラーゼ(Pol)とプライマー蛋白質(PP)の精製標品を得ることを目的に両遺伝子をtacプロモーター下流にクローニングした。IPTG誘導後、数段階のカラムクロマトグラフィーにより均一標品を大量に入手することに成功した。この標品はPol:PP=1:1の複合体を形成し高い蛋白質プライミング活性を示した。これにより蛋白質プライミング機能をim vitroで測定する準備が整った。 蛋白質プライミングDNAポリメラーゼの蛋白質プライミング機能ドメインを明らかにする目的の第一段階として、M2Polの塩基配列を決定した。推定されるアミノ酸配列(572残基)を基に、他のPolとの相同解析を行い基本構造の推定を試みた。近縁種のφ29Polと残基数は同じであり、82.3%の相同性を示した。相同解析の結果は大腸菌のPol Iをも含め多数のPolとの相同領域の存在を示した。M2・φ29のアフィディコリン耐性突然変異株は、そのPolのヌクレオチド類似物に対する感受性が変化することが判明した。これはHSVの例と同様でアフィディコリンの作用部位がヌクレオシド結合部位に近接していることを示唆している。突然変異株の塩基配列解析は相同領域DのC末端側に隣接する領域がM2・φ29のアフィディコリン感受性に係わることを明らかにした。またこの領域がヌクレオチド結合領域であることはPol Iの相同領域Dとの一致からも支持される。相同解析は蛋白質プライミング機能に特異的な領域は見出されず、他の通常のPolとの共通領域が、全体に広く分布していることを示した。よって蛋白質プライミング機能に特異的な大きなドメイン構造が存在する可能性は低いと推定される。今後、この一次構造の基礎情報をもとにM2・φ29間のキメラの作製、in vitro突然変異導入等の手法により、蛋白質プライミングに係わる機能を明らかにする計画である。
|