研究課題/領域番号 |
63540507
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
廣川 秀夫 上智大学, 理工学部, 教授 (30011737)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 蘇苔類 / 葉緑体増殖 / 葉緑体DNA / DAPI-VIMシステム / プロトネマ |
研究概要 |
1.Plagiomunium trichomanes(コツボゴケ)胞子発芽によって生ずるプロトネマの生長と葉緑体の増殖を細胞学的に観察した。無菌寒天平板培地において、プロトネマは発芽後、先端細胞の増殖分裂による先端生長を行う。従って細胞世代時間を個々のプロトネマの細胞数増加によって測定することが出来た。本実験条件下では胞子発芽後第一細胞分裂まで要した時間は36時間であったが、それ以後の細胞分裂時間は平均11.1時間であった。 2.プロトネマを構成する細胞中の葉緑体数の分布を測定した。細胞当り平均18.2±2.4葉緑体数を示した。生長中の先端細胞は細胞容積が大きいだけでなく、葉緑体数も平均値を超えている。すなわち、葉緑体の増殖分裂は先端細胞で最も活性が高い。 3.DAPI染色により葉緑体中のヌクレオイドの分布および各ヌクレオイドのDNA量をファージT4を対照に測定した。葉緑体当りのヌクレオイド数は11〜13個に集中していた。DAPIにより染色されたヌクレオイドのDNA量をVIMシステムによりphoton測定を行った。T4粒子が平均50.6±2.6×10^3photon/2secのとき、葉緑体ヌクレオイドは59.2±19.1×10^3/2secの値を示した。分散が大きいことは個々のヌクレオイドが異なるタイミングで複製していることを強く示唆している。 4.^3Hーチミジンのヌクレオイドへの取り込みをオートラジオグラフィーで観察した。細胞核の状態(DNA合成期あるいは休止期)にかかわらず葉緑体ヌクレオイドへのとり込みが見られた。 5.パルスフィールド電気泳動(ジーンラインシステム)によるインタクトな葉緑体DNAの分離を試みた。T4DNAの泳動を対照に種々の抽出方法を検討した。抽出過程でのDNA分解活性が高く、明確なバンドとして単離するまでに至らなかった。
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