研究課題/領域番号 |
63540516
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
中村 司 山梨大学, 教育学部, 教授 (30020358)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 鳥の渡り / 日照時間 / 渡りの衝動 / 生殖腺 / 体脂質 / プラネタリュ-ム / 方位 / ホルモン / 鳥類の渡り(Bird migration) / プラネタリゥ-ム / 方位性(orientation) / 渡り行動(又は衡動)Zugunruhe / ラジオアイソト-プ / ラジオイムノアッセイ(RIA) / 鳥類の渡り / 温度 / 湿度 / 甲状腺 / 体脂肪 / 日照 |
研究概要 |
鳥類の渡り行動と生理を結びつけるのが、本研究の目的とするところである。初年度においては、北海道まで渡るオオジュリンを用い、本研究費で購入した恒温低温気象機内に、マイクロスイッチを備えたかごに入れた鳥を、温度20℃、湿度50%で日照時間を8Lから16Lまで延長した。13Lから13.5Lで渡りの衝動Zugunruheが起きた。その際8L、11Lの短日と長日の16Lにおける生殖腺、甲状腺等の内分泌器官の生理状態を比較検討した。その結果、精巣及び卵巣等の重量、活動量とも8L、11Lに比べ16Lグル-プの鳥の方が非常に増加した。また甲状腺も16Lでは、上皮組織の厚さなど形態による活動は約2倍に増加していた。また血液プラズマ中におけるテストステロンやエストラジオ-ルなどのステロイドトイルモン量は処理後名古屋大学農学部の島田清司博士に依頼したが、いずれも16Lは、他にくらべて増加していた。さらに、渡りのエネルギ-となる体脂肪の増加も16Lの方が多かった。 渡り鳥の行動と生理を結ぶ具体的な方法として、夜間渡る鳥にプラネタリュ-ムで星座を見せ、鳥の渡り活動と方位を調べ、あわせて渡り行動と内分泌器官との関係について研究することを実験2の目的とした。 まず、オオジュリンを温度20℃、湿度50%の実験室において、直径2.6mのド-ムに星座を投影し、星座の回転を自然の速度になるようコンピュ-タで制御した。日照時間は春は9Lから15Lまで週30分ずつ延長し、秋は15Lから9Lまで短縮させた。その間実験鳥のふんを1週毎に採取し乾燥保存して、その中におけるステロイドホルモン量を測定することにした。方法はラジオノムノアッセイ(RIA)によって行う。春の渡りは日照13Lから13.5Lであらわれ、秋は12L-11.5Lころにあらわれた。この際、東西南北等8方向における鳥の方位性を8方向にある止まり木につけたマイクロスイッチで測定したところ、南北の軸にそって方位が見受けられた。これらのうち、渡り前、渡り時期などにおけるホルモン量を測定することにした。この方法については、当教室では初めてであるので、すでに方法論が確立している早稲田大学教育学部の石居進教授らのご指導のもとに、ただ今山梨大学アイソト-プ実験室で継続し実験を進めているところである。
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