研究課題/領域番号 |
63540521
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
川端 善一郎 愛媛大学, 農学部, 助教授 (80108456)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ダム湖 / 淡水赤潮 / 滑鞭毛藻 / ケラチウム / シスト / マイクロコズム / 水深 / 溶存有機態リン / 渦鞭毛藻 / 発芽率 / 内部負荷 / 流入河川水 |
研究概要 |
渦鞭毛藻のCeratium hirundinellaによる淡水赤潮の発生機構は分かっていない。その主な理由はこの種の粗培養ですら未だに成功しておらず、増殖生理特性が実験的に明らかになっていない点にある。そこで本研究はこのように室内培養が困難な種の現場増殖条件を知るための一つの方法として、培養条件の異なる複数個のマイクロコズムをダム湖に設置し、それぞれのマイクロコズムにおけるC.hirundinellaの動態の比較から増殖条件を明らかにすることを目的とした。これに併せて、必要に応じて室内実験および現場調査も行った。C.hirundinellaが個体数を増加させるに至るまでの過程をシストの発芽と栄養細胞の増殖に分け、各々の過程に係わる要因を検討した。得られ主な結果は以下の通りである。 1.ダム湖の水温が鉛直的に均一な20℃の時、プランクトンネットでふたをした小型マイクロコズムを各水深に設置したところ、シストの発芽率は水深が浅いほど高く、水深0.5mに於ける発芽率は約2%であった。また水深30m以深では発芽しないことが解った。 2.水温と発芽率との関係を室内で調べたところ20℃と25℃で約2%と最も高く10℃以下で発芽しないことが分かった。 3.発芽可能な水温と水深から、石手川ダム湖におけるC.hirundinellaのシストの発芽時期は3月から9月の間で、発芽可能場所は上流域に限られると考えられた。 4.現場調査から、湖内で生産された溶算の有機態リンがC.hirundinellaの優占的な増殖をもたらした事が示唆された。 5.PO4P、NO3Nを添加した現場設置型マイクロコズムで溶存の有機態リンの濃度が増加し、C.hirundinellaの個体数が多かった。マイクロコズムにおいても溶存の有機態リンがC.hirundinellaの増殖要因であることが示唆された。
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