研究課題/領域番号 |
63540525
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 直樹 東京大学, 理学部, 助手 (40154075)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 糖脂質 / 脂肪酸不飽和化 / 突然変異体 / 低温誘導遺伝子 / ラン藻 |
研究概要 |
植物の光合成膜の主要脂質成分である糖脂質の生合成について、これまでは主にトレーサー実験しか行なわれていなかった。糖脂質生合成系の酵素を研究するにあたり、これらの酵素は膜結合性で精製が困難であるため、まずその遺伝子から同定していくことを試みた。本年度の研究ではラン藻を材料として、(1)UDPグルコースからジアシルグリセロールにグルコースを転移する酵素の突然変異体、(2)糖脂質に結合した脂肪酸を不飽和化する酵素の遺伝子、を得ることを目標とした。 (1)では、Anacystis nidulans R2株をEMSで処理し、フィルターレプリカ上でのin situ酵素反応により、^<14>C-UDPGからの^<14>Cのとりこみがほとんどないクローンを3個選択した。そのうちの#3の株は、38℃ではゆっくりと生育するが25℃にすると生育できなくなり、その際にはモノガラクト脂質(モノグルコ脂質を中間体としてつくられる)の量が低下することがわかった。この形質は、これまでに知られている代謝経路において、グルコースの転移ができなくなった場合に予想されることであり、この転移酵素の条件致死突然変異体が得られたと考えられる。 (2)に関しては、不飽和化が低温で誘導されるAnabaena variabilis M3を材料として、遺伝子ライブラリーを作った。低温モフトの前後の細胞から得たRNAを鋳型として合成した^<32>P-cDNAをプローブとして、ディファレンシャルスクリーニングを行ない、2個の低温誘導性遺伝子を得た。塩基配列の決定は進行中である。これらの遺伝子のコード領域に、カナマイシン耐性遺伝子を埋めこんで、もとの遺伝子を破壊し、たしかに不飽和化ができなくなることをしらべる実験も進めている。 以上のように当初の1年目の計画をほぼ達成し、今後の詳細な解析の基礎ができた。(1)については、コンプリメンテーションにより、遺伝子の単離もすすめていくことにしている。
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