研究課題/領域番号 |
63540534
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
桜井 直樹 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90136010)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | オオムギ / 矮性 / オ-キシン / mRNA / トランスアミナ-ゼ / ラセマ-ゼ / 遺伝子 / オーキシン / トリプトファン / C-DNA / m-RNA |
研究概要 |
渦赤弾力の短性遺伝子を解析するため、以下の3点を検計した。 (1)渦赤神力のC-DNAライブラリ-をつくり、ダイズで得られたβ-1,3-グルカナ-ゼのC-DNAプロ-ブでスクリ-ニングを試みたが、ポジティブなコロニ-は得られなかった。イネ科とマメ科ではGC含量が異ることが原因と思われ、イネ科から得たプロ-ブを使用する必要性のあることが示唆された。 (2)並・渦赤神力から生長中の子葉鞘に含まれるmRNAを抽出・精製し無細胞タンパク合成系で、それぞれの翻訳物の比較を行った。両者の翻訳物を二次元電気泳動で展開し、フルオログラムのスポットの比較をしたところ、並で強く発現していて、渦ではほとんど発線していないスポットが、11種類見つかった。この事実は従来から一遺伝子突然多異と思われていた渦の矮性遺伝子座に多数の遺伝子がのっていることを暗示している。また、無細胞タンパク合成系に外からIAAを加え、翻訳活性に影響がでるかを、^<35>Sーメチオニンと^3Hーロイシンを用いて調べた。IAAは渦の翻訳活性に全く影響を与えなかったが、並の場合、^3H-ロイシンのタンパクへの取込みを抑制した。現在この結果は説明できていない。 (3)渦の内生IAAの低い原因が、IAA合成経路のどこかの段階での異常であるという観点から、このステップの特定を試みた。両オオムギ系統とも、従来から推察されているL-TrpよりもDpTrPの方がIAAのよい基質であることがわかった。そこでL-TrpからのD-Trpへの変換を融媒するTrpラセマ-ゼ活性に注目した。この酵素の最適pHは並の場合、7.6であったが、渦の場合は9.7以上で、著しくアルカリ側に片よっていることがわかった。この両者の最適pHの違いは、両者の酵素のアミノ酸組成の違いを反映している可能性が高く、この酵素の単離、精製が渦赤神力矮性遺伝子の解析に大きく寄与するものと期待される。
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