研究課題/領域番号 |
63540563
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大橋 一世 千葉大学, 理学部, 講師 (90114248)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | Iタンパク質 / 骨格筋の調節タンパク質 / ミオシンの集合調節タンパク質 / ミオシンフィラメントの束形成 |
研究概要 |
共沈実験により、Iタンパク質とミオシンフィラメントとの結合を種々の条件下で調べた。ミオシンフィラメントはpHが7.0以上、KCl濃度が60mM以上では、低速遠心で沈澱しにくかったが、Iタンパク質にはミオシンフィラメントの集合体の形成を促進する働きがあり、その効果はpHが6.5の時KCl濃度が50-70mMの範囲で顕著でKCl濃度が20mMの時pHが7.0-7.3の範囲で顕著であった。pH6.5でKCl濃度が20mMの条件下でIタンパク質がほとんど上清に存在しない場合のミオシンとタンパク質の結合比は40:1(モル比)程度であったが、Iタンパク質を過剰に加えると2.7:1まで結合した。ミオシンとIタンパク質の結合様式は2通り存在すると思われる。この条件下で、ミオシンフィラメントにIタンパク質を2:1の割合で加えると巨大な束を形成することが電子顕微鏡による観察からわかった。またIタンパク質存在下でミオシンを集合させるとフィラメントが固く板状に結合した。pH7.2でKCl濃度が20mMの時ミオシンフィラメントにIタンパク質を加えると、カゴ状の構造を形成した。この構造は、非筋細胞由来のミオシンがつくるMgパラクリスタルによく似ているという大変興味深い事実がわかった。Sephacryl S-400カラムを用いたゲルロ過によって、Iタンパク質は分子量5万のペプチドの2量体であることが示された。Iタンパク質のトリプシン分解による分子量3万のペプチドは単量体で、ミオシンフィラメントを束ねたりする作用はなかった。これ等のことよりIタンパク質は2価であることがわかった。pH7.2でKCl濃度が150mMの生理的塩溶液中でもミオシンとIタンパク質が結合することが、Sephacryl S-400カラムを用いたゲルロ過により示された。Iタンパク質がミオシンのどの部位と結合するかについては、現在検討中である。
|