研究課題/領域番号 |
63540565
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
真行寺 千佳子 東京大学, 理学部, 助手 (80125997)
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研究分担者 |
村上 彰 東京大学, 理学部, 助教授 (10021924)
高橋 景一 東京大学, 理学部, 教授 (40011481)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 多孔体 / ウニ / 水管系 / 棘皮動物 |
研究概要 |
1.ウニ多孔体の電子顕微鏡用試料作製法の検討を行った。(1)前固定:2%OsO_4(人工海水)室温5分、(2)固定:4%グルタルアルデヒド(カコジル酸緩衝液)氷冷2時間、(3)後固定:1%OsO_4(カコジル酸緩衝液)氷冷2時間、(4)脱灰:1%アスコルビン酸(0.15MNaCl)室温12〜24時間、(5)脱水:エタノ-ル、室温2時間、(6)包埋:エポン。(1)で人工海水にOsO_4を希釈したもので前固定をすると、孔は開いた状態で固定された。一方、アセチルコリンと同様に孔を閉じさせる作用を持つカコバコ-ル10^<-5>Mと2%OsO_4とを含む人工海水で前固定すると、孔は閉じた状態で固定された。2.切り出した多孔体(殻についたもの)を用いて、孔の外側から内側へ、またその逆方向に水が通りうるか否かを各種色素や墨汁を懸濁した海水を用いて調べた結果、水圧をかけた条件では両方向に水が通ることがわかった。能動的な流水の有無、方向性等についてはなお解討の余地がある。3.単離した多孔体組織の孔の開閉の解析。切り出した多孔体では、孔の開閉はその開口部からのぞき込むようにしてしか観察することはできない。従って、開口部の変化を孔の表面からとらえることはできても、孔に沿った細胞の反応はわからなかった。多孔体を薄くそぐようにして切り出した後、コラゲナ-ゼ処理によりその組織を殻から単離することができた。この多孔体組織片では、ノマルスキ-顕微鏡下で細胞の厚みの変化などを容易に観察できることがわかった。現在、これを用いてアセチルコリン処理による細胞の変化を詳しく解析中であり、孔の開閉時に何が変化するかをとらえることができると思われる。なお、この試料を用いれば微細構造の解析もさらに進むことが期待される。以上のように、この2年間に多くの成果を得ることができた。今後はこれを基礎にしてさらに研究を発展させ、多孔体機能の解明を目指したい。
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