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組織細胞の分化の安定性を制御する細胞因子への分子的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 63540592
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 動物発生・生理学
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

渡辺 憲二  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (00079691)

研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード色素上皮細胞 / 細胞外基質 / アポリポプロティンB / 無血清培地
研究概要

ニワトリ色素上皮細胞(PEC)は、脱分化、再分化、水晶体細胞への分化転換をすることができる。PECの細胞分化における細胞外基質の役割を明らかにするために、1、細胞外基質を分析し、2、細胞の微細環境を自由に制御できる無血清培養系を確立した。材料は9日目のニワトリ胚である。
1、脈絡膜を付着したままの色素上皮組織を、両組織の分離に有効な0.1%EDTA溶液で保温し、遠心上清をSDS-PAGEで分析した。CBBで検出された数本のバンドのうち約300KDのタンパク質(P300)について検討を進めた。P300に対する抗体を作成し、蛍光抗体法で組織を観察すると、P300は眼の結合組織や上皮基底膜や眼以外の結合組織に広く分布していた。抗P300は既知の細胞外基質成分とは免疫学的に交差しなかった。ついで、抗P300を用いて、P300をコートするcDNAをニワトリ全胚のcDNAライブラリーから検索し塩基配列を決定した。P300のcDNAはヒトのアポリポプロティンB(アポB)と高いホモロジー(アミノ酸配列では45.2%)を示した。そこでP300とアポBを生化学的に比較したところ分子量、抗原性、超遠心における密度が同じであることが判明した。本研究で示されたP300すなわちアポBの組織分布は従来知られていない興味深いものである。
2、PECの無血清培養はMEM倍地にインスリン、コンアルブミン、トリプシンインヒビター、そして培養皿をコラーゲンでコートすることで達成された。インスリンは増殖、コンアルブミンは細胞の維持、トリプシンヒビターは細胞の分解を防止、コラーゲンは長期間、細胞が接着しているために役だっていた。PECのクローナルな増殖はこの条件以外にPECの合成した細胞外基質を加えることで可能になり、コラーゲン以外の基質成分の重要性を示唆している。無血清培養はPECの分化転換系で使用されるヒアルロニダーゼ、フェニールチオウレア、アスコルビン酸の果たす役割を解明するのにきわめて有効であると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kenji Watanabe.: Development Growth and Defferentiation. 30. 418 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Kenji Watanabe.: Development. 103. 17-26 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Masasuke Araki.: Cell Differentiation and Development. 25. 155-164 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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