研究課題/領域番号 |
63540597
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物形態・分類学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 武二 東京大学, 教養学部, 教授 (90012335)
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研究分担者 |
堂前 雅史 東京大学, 教養学部, 助手 (30207683)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | マウス / ヤマネ / ヒメネズミ / アカネズミ / 性誘引物質 / 尿マ-キング行動 / 父性行動 / 冬眠 / 立体特異性 / 尿 / マーキング行動 |
研究概要 |
1.雄マウスの性誘効物質 雄の排出尿が持つ雌誘引効果が尿中物質ならびに包皮腺分秘物の両方に依存していること、また尿中の因子については既知の2物質以外にさらに効果を補完する物質が存在することが確認された。(木村) 2.雌の尿マ-キング反応 上記の雌誘引因子に対する雌の尿マ-キング反応を計測したところ、誘引効果と相関しないことが明らかとなり、雌の尿マ-キング行動が性的動機づけのみを反映しているのではないことが確認された。(木村) 3.マウスの父性行動の制御要因の解析 雄マウスは通常は子育て行動を示さないが、つがいの雌が出産すると、その子どもに対してリトリ-ビングや巣造りをするようになる。これらの父性行動の発現を制御する外的要因を解析した結果、子どもとの血縁の認知や雌からの刺激は殆ど効果がないのに対して、雌との交尾の経験が重要な促進要因であることが明らかとなった。(木村) 4.ヤマネの行動生態と冬眠 ヤマネは日本特産の野性齧歯類だが、その行動は殆ど研究されていない。今回野外および飼育下での研究の結果、本種が孤独性の放浪生活者で昆虫を主食としていること、秋季には暖い内から断続的休眠を行ってエネルギ-を節約するが、体重がある程度減少すると長期の冬眠に入ることなど、多くの新事実が明らかとなった。(木村) 5.野生齧歯類の尿マ-キング行動 ヒメネズミおよびアカネズミの尿マ-キングを飼育下で調べたところ、ヒメネズミはマウスと同様の性差や、他個体の存在に応じた変化を示したが、アカネズミではこのような現象はみられなかった。嗅覚コミュニケ-ションの種差とその生態学的意味を探る上で興味深い。(堂前)
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