研究課題/領域番号 |
63540600
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物形態・分類学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山内 兄人 早稲田大学, 人間科学部, 助教授 (10053357)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 性行動 / ロ-ド-シス / マウント / 雄雌ラット / 縫線核 / 延髄 / 脳破壊 / セロトニン / ロ-ズ-シス / 雄性行動 / テストステロン / 雄ラット / ロードーシス / エストロゲン / ラット |
研究概要 |
雌雄ラットの性行動は中枢神経系により制御されており、性ホルモンは中枢神経系の制御機構に直接作用することで性行動の発現を可能にしている。中枢神経系における制御機構は前脳を中心に解析が進んでいるが下位脳幹である中脳、橋、延髄では不明の部分が多い。本実験は延髄の縫線核に焦点をんでいるが下位脳幹である中乳、橋、延髄ではまだまだ不明な部分が多い。本実験延髄の縫線核に焦点を宛て、破壊すると雌雄の性行動がどの様に変るか調べたものである。 1.雌ラット性行動における延髄縫線核の破壊効果:雌ラットを去勢し不確縫線核または大縫線核を高周波破壊しサイラスチックチュ-ブをもちいてestradiolー17β(E_2)を投与した。E_2投与2日後から5日間行動テストを行なった結果、不確縫線核を破壊された雌ラットは強い性行動を示し、また、勧誘行動の開始も早かった。大縫線核破壊は影響がなかった。 2.雄ラット性行動における延髄縫線核の破壊効果とPCPA投与効果:雄ラットを去勢し、不確縫線核または大縫線核を高周波破壊し、サイラスチックチュ-ブをもちいて、tesotosteroneを投与した。その後1週間毎に3回行動テストを行なった結果、不確縫線核を破壊された雄ラットは、性行動が低下し、特に挿入回数、射精回数は少なかった。大縫線核破壊は影響がなかった。また、不確縫線核は性行動を抑制していると考えられるセロトニンを神経伝達物質とするニュ-ロンを多く含むので、破壊により性行動が低下した雄ラットにセロトニンの合成阻害剤であるPCPAを投与するとある程度の回復が見られた。 このように延髄の不確縫線核およびその周辺は雌ラットでは性行動を抑制しており、雄ラットでは性行動を促進している事が明かとなった。また、雄ラットにおいて、セロトニン合成阻害剤であるPCPAは不確縫線核以外の縫線核に作用して性行動発現を促進する可能性が示唆された。
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