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日本近海産深海性魚類の寄生虫相の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63540602
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 動物形態・分類学
研究機関国立科学博物館

研究代表者

町田 昌昭  国立科学博物館, 動物, 室長 (40000129)

研究期間 (年度) 1988 – 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード寄生虫相 / 深海魚
研究概要

高知県に2回,鹿児島県に1回(その他科研費以外の旅費で静岡県に1回)出張して,深海性魚類から寄生虫の採集と標本の製作を行った。このうち土佐湾と駿河湾産の深海性ギンザメ類のギンザメChimaera phantasmaとアカギンザメHydrolagus mitsukuriiの寄生虫相を調べたので,その概要を記す。1)Rugogaster hydrolagi(楯吸虫):直腸腺に寄生。体長5.7ー9.5mm,体巾0.7ー1.5mm。腹面には23ー29本のひだから成る固着器官が縦に並ぶ。口は頭端近くに開は,2本の腸管は尾端近くで終る。精巣はほゞ球形で60個を越え,腸管に沿って左右各1列に並ぶ。卵巣は球形で,発達の悪い腹吸盤の右前に位置する。子宮は尾方へ延びたのち頭方へ戻り腸分岐直後の生殖口に開く。卵黄腺は卵巣から尾端近くの腸管の外側に存在。虫卵の大きさは110ー130×55ー70μm。本種はSchell(1973)により米国ワシントン州沖のH.collieiから新科・新属・新種として記載され,その後Shvetsova(1990)によりオ-ストラリア近海のH.ogilbyiから報告されているのみで,今回が第3報目,日本近海からはじめての記録である。恐らく太平洋沿岸域にひろく分布しているのであろう。2)Multicalyx elegans(楯吸虫):胆嚢に寄生。体長は13mmに達する。腹面の固着器官は横長の小室が縦に並ぶ。精巣は1個で長球形,尾端近くにあり,卵巣は類球状で体中央より頭方にある。子宮は尾方に延びたのち頭方へ戻り,固着器官前縁の生殖口に開く。卵黄腺は卵巣付近から尾端近くまでの腸管の両側に存在。虫卵は100ー118×53ー75μm。本種はOlsson(1869)により地中海のC.monstrosaから記載され,その後数回報告されているが,分類学的再検討を要する。北太平洋からははじめての記録である。この他3)Callorhynchicola sp.(単生虫)が鰓から,4)Gyrocotyle urna(条虫)がらせん腸から検出された。1)と2)の詳細については第50回日本寄生虫学会東日本大会(平成2年10月)で発表した。

報告書

(3件)
  • 1990 実績報告書
  • 1989 実績報告書
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 町田 昌昭: "高知沖のヒシダイから得られたZoogonidae吸虫の1新属新種(英文)" 国立科学博物館研究報告. 16. 41-45 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 町田 昌昭: "北海道太平洋岸と駿河湾の深海性魚類の線虫相(英文)"

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 町田 昌昭: "駿河湾と土佐湾産ギンザメ類から得られた楯吸虫類(英文)"

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 町田昌昭: "高知沖のヒシダイから得られたZoogonidae吸虫(英文)" 国立科学博物館研究報告. 16. (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 町田昌昭: "北海道太平洋岸の深海性魚類から得られた線虫"

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 町田昌昭: 国立科学博物館研究報告.

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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