研究課題/領域番号 |
63540615
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山本 聰 琉球大学, 理学部, 助手 (50124855)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 遠洋性チャ-ト / 半遠洋性チャ-ト / 遠洋粘土鉱物 / 赤色チャ-ト / フリント / 伊江島 / 遠洋性 / 半遠洋性 / 層状赤色チャ-ト / フリントノジュ-ル / CCD / 多色性層状チャ-ト / 深海 / 遠洋粘土 / 層状チャート / 化学組成 / 原子吸光法 / ミクライト質石灰岩 |
研究概要 |
沖縄本島の本部帯、及び伊江島、伊是名島においてチャ-ト層のサンプリングを行い、また北海道においては、遠洋性と思われるチャ-トのサンプリングを行い、172個のチャ-ト及び関連堆積岩の分析を行なった。この結果、地球化学的に遠洋性と半遠洋性チャ-トの特徴が見い出され、ある程度の識別方法が確立出来た。遠洋性チャ-トはHyaloclastiteなどの基盤火成岩接触部などを除くと、FeとMgの間に強い正の相関関係が成立し、かつそのプロットは0点を通る連続的線上に分布する。FeとK間の相関も遠洋性チャ-トには見られるがMgとの相関はさらにそれよりも強いものである。これに対して半遠洋性チャ-トにおけるFeとMg間の相関は弱いものとなる特徴がある。Fe/Mg比は一般に現在の北太平洋表層付近の遠洋性粘土よりも2〜3倍比高い値になり、主にジュラ紀から白亜紀にかけての遠洋性チャ-トのFe/Mg比は、現在の大西洋の中央海嶺付近の遠洋性粘土の比に近い値になる。 遠洋性チャ-トは、層序的に、単一岩相で、厚く薄層の赤色チャ-トが堆積している事で特徴ずけられる。またCCD以浅の遠洋の海山上の遠洋炭酸塩中にノジュ-ルとして産出するフリントも陸上に露出しているのが発見された。沖縄本島周辺域では、遠洋性チャ-トと考えられるものは、伊江島のタッチュ-に露出している赤色チャ-トのみで、他のチャ-ト層はすべて半遠洋性起源である事が判明した。陸上に露出しているCCD以深、以浅を問わず、遠洋性チャ-トの層序は、現海洋の深海底における遠洋性チャ-トの層序に良く対比する事が出来、地質時代の過去にも現在のような深海底が存在し、日本列島下にもぐり込んだ遠洋性チャ-トの一部は、日本列島上まで露出してきた地史が解る。
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