研究課題/領域番号 |
63540642
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中島 和夫 山形大学, 理学部, 助教授 (70159060)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 花崗岩 / 鉱液 / 流体包有物 / 加熱冷却ステージ / 鉱化作用 / 酸性火成活動 |
研究概要 |
研究実施計画に基づき、山口県鳳翩山花崗岩体と比較のために福島県の阿武隈地域と岩手県の北上地域の花崗岩類について現地調査及びサンプリングをおこなった。得られた岩石試料について、研磨薄片を作って岩石記載をおこなうとともに、流体包有物測定用の両面研磨試料を作成した。 試備備品費ではダイヤモンド研磨用試料回転機と加熱冷却台を購入した。試料回転機は岩石の研磨試料を作成するときに利用し作業の自動化を図った。加熱冷却台はセットアップしたのち、逐次流体包有物の充填温度と凝固点温度の測定に利用している。 鳳翩山花崗岩体についての予察知的な測定結果は以下の通りである。 1.NaCl型の多相包有物が多く存在する。 2.充填温度は250〜400°Cの範囲のものがほとんどである。 3.凝固点温度の結果から、5〜30%NaCl相当濃度の塩類を含んでいることが分かった。 特に上記のNo.3については、本邦花崗岩類のうちで今までに報告されたものに比べてかなり高い濃度を示してあり、これは鳳翩山花崗岩体が多くのCu-Bi-Co-W型の鉱床を伴うことと大きく関係しているものと考えられる。これらの結果については測定を加え、データの信頼性を確定したのち、学会誌に発表する予定である。さらに、東北地方の金属鉱床を伴う花崗岩類についても同様の測定を行っている。以上のことを通して、鉱化流体の化学的性質およびその進化と鉱床の種類や鉱化作用の有無との関連あるいは一般性について探る予定である。
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