研究課題/領域番号 |
63540648
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松本 たけ生 (松本 〓生) 金沢大学, 理学部, 教授 (20019467)
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研究分担者 |
奥野 正幸 金沢大学, 理学部, 助手 (40183032)
木原 國昭 金沢大学, 理学部, 助教授 (70019503)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 淡紅銀鉱 / 濃紅銀鉱 / 固溶体 / 局所構造 / EXAFS / イオン伝導体 / ガラス構造 / Ag_3AsS_3 / X線同経分布法 |
研究概要 |
淡紅、濃紅銀鉱(Ag_3AsS_3、Ag_3SbS_3)は、銀の砒素、アンチモンの硫塩鉱物の一種で、固溶体を形成する。またセレン塩に相当するAg_3AsSe_3は、我々の研究室で合成された、同形の新物質である。今回、これらの端成分、固溶体の結晶とガラスとの合成を試み、その局所構造をX線粉末法、EXAFSスペクトル測定で解析、以下に述べる新知見を得た。一部、日本鉱物学会、結晶学会で口頭発表し、公表論文は準備中である。尚、新に解釈すべき問題も生じ、今後更に研究を続行する予定である。 合成は、Ag(As、Sb)、(S、Se)をモル比で混合し、真空にひいたシリカガラス管に封入し、融体急冷法、或はアニ-ルして作成した。測定、実験は、X線粉末法、EXAFS測定は高エネルギ-物理学研究所で行なった。同経分布D(r)曲線、EXAFS χ(k)スペクトル図、|F(r)|図の計算は当大学で行なった。 主要結果 1)Ag_3AsS_3-Ag_3SbS_3系結晶の固溶体(7組成)のAs、SbのK吸収端EXAFS測定より、k^3χ(k)のフ-リエ変換|F(r)|を計算し、位相シフト補正はしていないが、AsS(1.90゚A)、SbS(1.95゚A)主要ピ-ク位置は組成依存性がなく、強度のみ変ることが判明した。即ち、この固溶体に於いて、AsS_3、ならびにSbS_3群が単独に存在し、組成に応じそれら各群がまぢっていることを示す。 2)Ag_3AsS_3ガラス構造。淡紅銀鉱の端成分の結晶、ならびにガラスの同経分布関数、AgとAsのK吸収端EXAFSからの|F(r)|関数の比較検討の結果、ガラスに於いて、AsS_3ピラミッド群は結晶と同様に存在する。一方、Agは結晶と同程度の距離でSと結合し、ランダムな分布を示す。これより、ガラスでも結晶同様、Agイオンによる超イオン伝導性を示すことが予想される。将来、ガラス超イオン伝導体として大事な候補となろう。また、超伝導体的性質も出てくるかもしれず、有望な材料かもしれない。
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