研究課題/領域番号 |
63540653
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
桃井 斉 愛媛大学, 理学部, 教授 (00037160)
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研究分担者 |
皆川 鉄雄 愛媛大学, 理学部, 助手 (40145058)
藤野 清志 愛媛大学, 理学部, 助教授 (40116968)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 層状マンガン鉱床 / 菱マンガン鉱 / 二酸化マンガン鉱 / 球状組織 / ゲル法 / 酸化マンガン鉱 / 磁鉄鉱 / マンガン鉱 |
研究概要 |
1.層状マンガン鉱床の初生鉱石鉱物 日本の層状マンカン鉱床に見られる初生鉱石鉱物を明らかにするため、秩父帯の長崎鉱山、上嵯峨谷鉱山、三久保鉱山、美濃過の犬山、丹波帯の称谷鉱山、足谷鉱山、地堂鉱山等の調査を行なった。その結果、初生鉱石として菱マンガン鉱、ベメント石、ハウスマン鉱が産出することが明らかになった。一般に落層の縞状組織を示すことが多く、菱マンガン鉱は稀に球果状を呈する。また、中国の民房子鉱山の初生産物は二酸化マンガン鉱と菱マンガン鉱は球果状を呈する。一般に菱マンガン鉱が球果を呈する場合は日本では比較的稀であるが、大陸の卓状地にある大規模鉱床では球果は普遍的に見られる。世界の層状マンガン鉱床では二酸化マンガン鉱も初鉱物として産し、しばしば魚卵状の組織をもつことが知られている。 2.マンガン鉱石組織の合成 マンガン鉱石の初生組織は縞状と球状組織で代表される。これにの組織はゲル法により容易に合成されることが明らかになった。実験は菱マンガン鉱と酸化マンガン鉱について行った。菱マンガン鉱の場合は炭酸イオンを含む寒天ゲル中にマンガンイオンを拡散させる場合と、逆の炭酸イオンを拡散させる場合について実験を行った。その結果、放射状の針状結晶からなる球界が合成され、それが縞状に配列する組織も合成された。酸化マンガン鉱の場合は苛性ソ-ダを含む寒天ゲル中ヘマンガンイオンを拡散させ、同様な組織を作ることができた。ただ球状の粒子は同心円状の組織をもち、菱マンガン鉱の放射状組織とは異なる。 結論として、マンガン鉱石に見られる縞状組織や球状組織は堆積作用だけでなく、ゲル中へのイオンの拡散によっても容易に形成することが明らかになった。
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