研究課題/領域番号 |
63550015
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 茂夫 京都大学, 工学部, 教授 (30026231)
|
研究分担者 |
藤田 静雄 京都大学, 工学部, 助手 (20135536)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 表面光化学反応 / 気相エピタキシアル成長 / II-VI族半導体 / 光照射効果 / 成長機構 |
研究概要 |
現代の情報化社会に必要な高機能、多機能素子の実現には、半導体材料素材の品質、多層構造の急峻性等に高度の条件が要求される。そのためには、成長温度の低温化が不可欠である。本研究では、結晶成長中の光照射により、成長層表面での光吸収、光化学反応に基づき表面反応が促進されるという、従来の光プロセスでは認められていなかったわれわれの新しい知見に基づき、その結晶成長機構の解明、さらにその応用として、可視〜近紫外域光素子用材料として有望なZnSe、ZnS等II-VI族半導体の高品質化を図って行くことを目的とする。得られた成果を以下に示す。 1.ZnSe、ZnS、およびそれらの混晶の減圧有機金属気相成長の際にキセノンランプ光を照射してその効果を見た。特に気相中での反応と基板表面での反応とを分離して検討し、光の効果が表面での化学反応の促進に寄与していることが判明した。 2.成長速度、混晶組成の、光照射パラメータ依存性を調べることにより、表面光化学反応の機構を検討した。その結果、表面での光吸収とキャリア生成が反応促進に寄与すること、キャリアによる反応促進効果の時定数は1.5秒程度であること、基板のみの上ではその効果がないこと、エビ層が20nm程度成長することにより効果が生じること、等が判明した。 3.光照射による成長温度低温化を通じてZnSeエビ層の高品質化を図ることができた。特に深い準位の低減化が図れ、PLにおいて励起子領域の発光のみが強く現れた。 4.光照射により不純物添加効率が著しく上昇することが判明した。そのため、僅かの不純物添加で低抵抗n型の試料を得ることができた。 以上の研究を通じ、新しい表面光化学反応の機構に関して数多くの知見を得ると共に、その応用によりII-VI族半導体の高品質化が達成しうる見通しを得た。
|