研究課題/領域番号 |
63550090
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料力学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
菊池 正紀 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (90107540)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 破壊靱性 / CFRP積層板 / モ-ドI,II / 混合モ-ド / 複合材料 / モ-ドII / 破壊条件 / 混合モード / G_<IC> / G_<IIC> / 異方性体 |
研究概要 |
CFRPの破壊靱性値を簡便に、かつ精度良く評価する方法の開発を行なった。CFRPは、弾性状態で破壊が生じるため、線形破壊力学の適用が可能であり、かつ有限要素法等による数値解析も高精度で行なうことができる。そこで本研究では、実験と有限要素法、境界要素法とを結合した手法を開発した。まずモ-ドI型の破壊に対しては、コンプライアンスとき裂長さとの関係を有限要素法解析によりあらかじめ詳細に調べて置き、実験中に実測しなくとも高精度でき裂長さの推測ができることを示した。これにより、モ-ドIでの破壊靱性値を簡便にかつ精度よく測定できることを示した。つぎにモ-ドIIの破壊靱性値の評価法について検討した。モ-ドIIの破壊試験は、曲げによって行なわれることが多く、その場合、上下破面の接触の状態を正確に把握することが重要となる。本研究では、強い異方性を有する構造物の接触問題が解析できる境界要素法プログラムを作成して、この接触状態の解明を試みた。その結果、接触部の範囲、接触力の分布などの点で、妥当な結論を得、モ-ドIIでの破壊靱性値評価が可能となった。実際にモ-ドIIの破壊靱性値を評価した結果、モ-ドIIの破壊靱性値は、板厚の影響を強く受けることが明らかとなった。最後に混合モ-ドでの破壊試験を試みた。繊維の配向を変えることにより、モ-ドIからモ-ドIIIまでの混合モ-ド状態を作り出すことのできる試験片を考案した。混合モ-ド状態を検討するため、三次元有限要素法解析を行ない、KI、KII、KIIIを分離を個々に評価した。その結果、混合モ-ド状態が実現していることが確認された。しかし、モ-ドIIIの成分が予期したよりも小さく、モ-ドI成分のみが卓越した状態になることが分かり、実験には至らなかった。現在、米国、ヨ-ロッパ、日本が共同でこの問題を取り上げる構想が進んでおり、本研究申請者もその一員として協力して行きたい。
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