研究概要 |
X-Yテ-ブル2軸運動制御ステッピングモ-タを設置した磁気研磨装置を新規に設計製作し,曲率の大きな曲面を想定して平面磁気研磨特性とその加工機構を明らかにした。得られた研究成果は次のようである。 1.磁気研磨装置における電磁コイルの設置位置および磁気回路構成部品の設計指針を得た。 2.平面磁気研磨加工特性を実験的に究明し,磁性工作物材料(軟鋼,焼入れ鋼),非磁性工作物材料(ステンレス鋼),硬脆材料(セラミックス,シリコンウエハ)の研磨特性に及ぼす加工諸因子(磁束密度,磁極回転周速度,加工間隙,工作物送り速度,磁性砥粒の種類,工作物の厚さ,磁性砥粒の供給量,加工液,磁極の繰返し工程数など)の影響をそれぞれ明らかにし,曲面研磨における加工条件の選定を容易にした。 3.磁気研磨法によって0.1μRmax程度の鏡面に近い仕上面が容易に得られることに明らかにした。 4.回転磁極の運動条件と加工精度の関係を実験的に明らかにし,2μm/□100mmの平面度を得た。 5.電解複合磁気研磨法について実験し,電解作用により能率的な研磨加工ができることを確認した。 6.磁性砥粒の切れ味向上と寿命改善のために従来の焼結磁性砥粒に代り,電解法と無電解法による新しいダイヤモンド磁性砥粒を開発した。また,その研磨性能を調べた。 次に,曲面研磨に関する実験を行い,次の成果を得た。 7.上述のX-Yテ-ブル2軸運動制御研磨装置によってでは三次元形状研磨はできないため,倣い方式の小形卓上型曲面磁気研磨装置を設計製作した。 8.磁性工作物材料(炭素鋼)と非磁性工作物材料(黄銅)に,凸面・凹面の曲面形状モデルを与えて磁気研磨加工実験し,磁気研磨法による曲面研磨の可能性を調べた。
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