研究概要 |
知識表現形式の決定は知識ベ-スの構築および生産システムの知能化を図るうえで重要な問題である。切削加工の作業設計においては,数値計算や解析結果などの情報が未加工で使われることはほとんどなく,被削材形状や工作機械の機差などによる現場的な不確定性を作業者の経験的なノウハウによって加味されて処理されることが多い。こうした作業設計に適合した知識表現には解析知識とこれを補完するための経験的知識の両者を融合的に取り扱うことが必要とされる。本研究では切削加工に関係する解析知識とこれを補完する経験知識を融合して,フレ-ム知識表現化し,実際的な作業設計に特化した知識表現形式の構築を試みた。そして知識表現形式の構成の大略とこれを用いて作成された2次元再生びびりの絶対安定境界を予測するシステムについて報告した。 一方、切削加工における作業設計を行う分野においては、ひとつの解析知識の結果からある切削現象を予測した後に,同結果を用いて別の解析知識から更に他の切削現象を予測する必要のある場合が多い。すなわちお互いに関連した複数の解析知識の多面的な入出力関係を考えた知識表現が重要となってくる。そこでお互いに入出力関係にある,複数の解析的知識で、かつエラ-補正の必要な知識を利用する場合に、解析及び経験知識勘案型の知識表現を多段階に用いて推論を行う方法についても報告した。同方式を用いて,振動定数の予測および2次元と3次元の再生びびり絶対安定境界の予測システムを実際に構築した。
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