研究課題/領域番号 |
63550147
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 明石工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松下 通紀 明石工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (50199791)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 自乗共役勾配法 / 前処理法 / 正則分離 / 差分法 / 大型疎行列 / 反復法 / 前処理 / CGS法 / BCG法 |
研究概要 |
非対称行列に拡張された共役勾配法系の反復法としてはCR法、BCG法、CR法などを始めとして類似の方法が多数提案されている。これらの反復法の前処理を施さない場合の特性を調べた結果、CGS法は他の方法と比較して収束に到る過程において残差が単調に減少せず振動を生じるという欠点はあるものの、収束に要する反復回数が少ないという優れた性質を有していることを過年度の研究により確認している。これらの成果を踏まえて本年度はCGS法に適した各種の前処理法の比較検討を行った。ベンチマ-ク問題としては、交差微分のある2次元楕円型方程式および2次元対流拡散式の2次精度中心差分近似によって得られる連立一次方程式を用いた。従来は不完全LU分解などの前処理がスカラ-計算機やパイプライン型ベクトル計算機に適合するとされているが本研究ではさらに並列度の高い計算機に適合した前処理法を開発するために係数行列の正則分離によって前処理法を構成する方法を提案する。どのような正則分離を採用すべきかの指針としてはSOR法やADI法などの古典的な反復法に関する研究成果とそれらの並列計算機に対する最近の研究成果を用いることができる。本年度はSOR法、ADI法を前処理とするCGS法の収束特性を調べた。その結果ADI法の前処理は必要とするメモリ量の関係からCGS法の反復1回あたりに1回だけ適用するのがよいこと、SOR法は多数回適用することが可能で3回の場合が最適であること、スカラ-計算機、パイプライン型ベクトル計算機では不完全LU分解と同程度の性能を有することが確認された。今後これらの方法をさらに並列度の高い計算機上での特性を調べることは重要な課題である。
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