研究課題/領域番号 |
63550168
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
増岡 隆士 九州工業大学, 光学部, 教授 (30039101)
|
研究分担者 |
鶴田 隆治 九州工業大学, 工学部, 講師 (30172068)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | エントロピ生成 / 不可逆損失 / 多孔質 / 高温断熱層 / 自然対流 / 熱伝達透過率 / 熱抽出 / 断熱 |
研究概要 |
1.多孔質スクリーンはアルミニウム製で厚さ2mm、高さ23.5mm、長さ310mmのものを等間隔に数枚平行に並べ、電子恒湿循環装置により一定湿度に設定された循環水をその内部に流入・流出させた。 2.実験によれば、熱抽出が局所規模の対流およびその対流の揺動を生じ易いことが観察された。この揺動は、局所的な対流に対し密度の異なるもう一方の層からの流れの引き込み及びスクリーン通過時冷却(加熱)の効果により、下降(ないし上昇)プルームの浮力が変化するため、冷却面(加熱面)に形成される熱境界層の不安定化をもたらすことによる。 3.熱抽出に伴う対流パターン、湿度分布、速度分布の変化、そしてその際の不可逆損失の低下に関して大型計算機による数値解析を行った。熱抽出を行うと、実験で観察されたように、水平方向湿度分布の均一化のため対流パターンは局所規模になり易い傾向にあり、また条件によっては、時間的に規則性のある振動的変化を生じることも確認できた。 4.下から加熱された均質多孔質層内の二次元対流に対し、エントロピ生成、不可逆損失の解析的表現を求め、数値解析結果と比較した。熱伝達最大の条件とエントロピ生成最大の条件が一致することがわかった。 5.熱抽出を行うと局所規模の対流が生じるので、「全層対流」と「局所対流」の形での対流発生、その温度分布、速度分布、熱伝達特性に及ぼす熱抽出の影響を解析的に検討して、数値解析及び実験と比較した。抽出層の熱伝達、抽出層厚さの影響を含むにもかかわらず、数値解析における抽出温度レベルのエントロピ生成に及ぼす影響は、理論解析に近い値を示し、また温度の振動的変化は最適抽出温度θ_<Eopt>近傍では消失し、温度レベルのずれが大きくなるにつれて振動の周期が短くなる。 6.以上により、断熱層内熱移動と流体摩擦に伴う不可逆損失に、熱抽出の基本的パラメタが、いかに依存するかをほぼ計画通り解明できた。
|