研究課題/領域番号 |
63550175
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
上松 公彦 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (90051721)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アンモニア水溶液 / 熱物性データべース / 熱力学性質 / PVTX性質 / 気液平衡性質 / 臨界定数 / 過剰状態量 |
研究概要 |
本研究では、各種水溶液のフロン代替媒体としての可能性に注目し、アンモニア水溶液の熱物性データベースの構築と各種有機流体水溶液の熱力学性質を高精度で測定可能な実験装置を製作した。 アンモニア水溶液については、文献調査を1917年より現在までの約70年間にわたって行い、検索した文献をその内容により(1)熱力学性質、(2)相平衡、(3)状態式・各種相関式、(4)輸送性質、(5)吸収式冷凍機への応用の5つに分類し、文献内容、実験値などに分けてフロッピーディスクに収録した。実験値および各種相関式については、実験精度などの記述、相互の比較などにより評価し、気液平衡計算については各種の計算方法により多少の相違はあるものの、実用的にはその差は問題にならない程度であるが、エンタルピー組成線図に関しては、線図の作成方法により実機の設計の際に問題となると思われるほどの大きな差があることが判明した。しかし、比較すべき実験値が存在しないなど現状では信頼しうる情報を選別することができず、今後種々の組成について多くの物性値を広い温度・圧力範囲にわたって高精度で測定することの必要性を指適することができた。 水溶液の熱力学性質測定装置については、測定範囲を水の超臨界状態が測定でき、かつ分子間相互作用の解明のために必要な高圧データが測定できることを考慮して700K、200MPaまでの温度・圧力範囲とし、測定方法としては、少ない試料充填量で一定組成の水溶液のPVTX性質、気液平衡性質、臨界定数、各種微分量、過剰状態量等が高精度で測定できる金属ベローズ変容法を採用した。製作した本測定装置の試料容器は、金属ベローズと臨界現象の観測用の窓を備えており、液体恒温槽内に設置されている。本装置の測定精度は、温度:±10mK、圧力:±0.03%、密度:±0.1%、組成:±0.05%である。
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