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人工衛星表面の帯電放電機構に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 63550202
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 電力工学
研究機関東京大学

研究代表者

石井 勝  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40107397)

研究分担者 北條 準一  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70013175)
研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1988年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワード人工衛星 / 帯電 / 電子線
研究概要

人工衛星表面の絶縁材料が高々度軌道上で10kVもの電位に帯電し、その電荷の放電が衛星の故障の原因となり得ることが近年知られるようになったが、その機構の解明は未だに進んでいない。本研究は放電開始と放電進展の機構の解明をはかることを目的としており、次のような新たな知見、成果を得た。
1.衛星の熱制御材料として使用される片面金属蒸着を施した高分子フィルムに、10^<-7>Torr台の高真空中で、宇宙空間での帯電現象を模擬するための電子線を照射して帯電特性を調べた。その結果、十分時間が経過した後の、フィルム上の電位分布は照射電子の軌道、材料の導電度などによって定まり、試料の表面方向への導電性には影響されない。
2.放電のモードは試料の厚さと電子線エネルギーにより、2種類に分けられる。実際の宇宙空間で観察された範囲の電子線エネルギーでは、25μs程度の薄い試料では貫通破壊が試料中央部で生じ、50μm程度より厚い試料では試料押え枠への沿面放電が生じる。テフロンの貫通破壊は4MV/cmの内部電界の付近で生じた。
3.実用上より重要な、沿面放電の開始条件は、試料の厚さには依存せず、大地電位の押え枠と試料が接する位置の、ミクロな電位分布形状により定まる。放電は押え枠の位置から始まり、試料中央へと進展する。
4.質量分析計で放電前後の残留ガス、放出ガスを分析した結果、試料表面に吸着されている炭化水素、水分子が放電開始条件に関与している可能性の高いことがわかった。これは真空引き時間の短い試料の放電開始電位が低いことからも裏付けられる。
以上の放電開始条件は、本研究により初めて明らかになったものである。また従来多くの実験が行われていた10^<-5>〜10^<-6>Torrの真空度は、放電開始条件の研究のためには不十分であることが判明した。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書

URL: 

公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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