研究課題/領域番号 |
63550240
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
飯田 昌盛 東海大学, 工学部, 教授 (50056008)
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研究分担者 |
秋葉 幸男 東海大学, 工学部, 一級技術員
中村 輝太郎 東海大学, 工学部, 教授 (90013458)
黒須 楯生 東海大学, 工学部, 教授 (30056204)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ダイヤモンド薄膜 / p型半導体 / ホウ酸 / エピタキシャル成長 / n型半導体 / ダイヤモンドデバイス |
研究概要 |
本研究は半導体的性質を持つダイヤモンド薄膜を合成し、それを電子デバイスへ応用することを目的とする。ダイヤモンドの合成は熱フィラメントCVD法によって行い、合成装置は購入した流量制御システム及び小型反応容器等によって構成した。実験の第一段階として、p型半導体ダイヤモンドの合成に着手し、不純物のドーブはホウ酸を有機溶媒に溶解させたものを気化させ反応ガスとする独自の方法を用いて行った。この方法で合成した薄膜を結晶学的に評価したところ、これらの薄膜は天然立方晶ダイヤモンドと同じ結晶構造を有し、グラファイトやアモルファスカーボンをほとんど含まない良質なダイヤモンドであることがわかった。また電気的特性の測定から、これらの薄膜はいずれもp型の半導体的性質を持つことがわかった。さらに、流量制御システムを取り入れた装置により、合成時における反応溶液の温度、反応ガス流量、容器内圧力等の条件を自動的に維持することができ、より再現性良く安定した結果が得られた。また、ダイヤモンド基板を購入しこれを下地基板として合成を試みたところ、シリコン基板上の場合とは異なり、基板上にエピタキシャル成長したダイヤモンド薄膜を得ることができた。次に、n型半導体ダイヤモンドの合成も試み、不純物としてリン酸、アンモニア水、炭酸水素アンモニウムを用いて合成を行った。その結果、再現性には欠けるものの、n型の電気伝導性を示す薄膜を得ることができた。この結果は、これまで報告例の少ない低抵抗なn型ダイヤモンド合成の可能性を示唆している。本年度はこの半導体ダイヤモンドを電子デバイスに応用するまでには至らなかったが、今後デバイス化するためにはn型半導体ダイヤモンドを再現性良く合成する方法を確立することが必要である。
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