研究課題/領域番号 |
63550252
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子通信系統工学
|
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
畑 雅恭 名古屋工業大学, 工学部電気情報工学科, 教授 (90180877)
|
研究分担者 |
内匠 逸 名古屋工業大学, 工学部電気情報工学科, 助手 (30188130)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | バースト誤り訂正符号 / シンドローム / 符号の対称性 / 自己同型写像群 / 対称性の破れ / 擬巡回符号 / 暗号 / トポロジー / 異性体 |
研究概要 |
(1)最近のディスクメモリー装置などでは、従来にも増して長大なバースト誤り訂正能力が求められている。また一方、情報の秘匿、暗号化技術も主要な課題となってきている。(2)本研究では、新しく群論の立場から符号化、暗号化を見直そうとするものであり、符号の持つ対称性、すなわち自己同型写像群によって符号の性質、特性を表現することを目的としている。(3)本年度の具体的な成果としては、先に提案した鎖符号を一般高次元に拡張することを試み、対称次元の拡大による符号の訂正能力の向上を検討した。(4)3次元鎖符号について評価したところ、従来の短縮化巡回符号に較べ、希望訂正能力が自由に与えられ、かつ能力が高いこと、他の一般の符号の復合法では訂正能力とともに著しく復号に困難が伴うが、この符号では巡回的対称性の多重的利用により、簡明に複号できるなどの利点が明らかにされた。(5)また訂正不能問題についても、誤りシンドロームの巡回置換、部分巡回置換に関する自己同型写像群によって特定されることがわかり、この群に対応する幾何学的構造も明らかにされ、3次元鎖符号については完全に解明がなされた。(6)以上の解明を通して、擬巡回符号が、巡回符号の巡回的対称構造の対称性破壊(短縮、間引き)によって表現されている事が明かとなり、群の部分分解との関連を検討するとともに、自然界の多くの事象と同じ様に、符号についても対称構造として創造され対称性からのずれ、一部の破れにより、画一化と固定化を離脱し進化しうることが示された。(7)また、対称構造の破壊とその完全対称極限への修復の問題が、いわゆる一方向性関数となりうる可能性がある。対称性の欠除を補うには多くの情報、構造に関する知識を必要とし、対称性であるものを破壊するよりも著しく困難な問題となる。(8)さらに、鎖符号についてトポロジー的異性体を形成する暗号方式についても検討した。
|