研究課題/領域番号 |
63550315
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測・制御工学
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
中島 真人 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (20051766)
|
研究分担者 |
尾川 浩一 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (00158817)
油田 信一 筑波大学, 電子情報工学系, 助教授 (00092502)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 超音波 / 速度計測 / スペックル |
研究概要 |
本研究により開発された手法は、超音波エコー信号上に生じる「スペックルの時間的変動」を計測することによって、極低速で流れる流体の流速を決定するものである。 本年度は、(1)測定精度の流速依存性、(2)計測値の音場依存性、および(3)計測値の方位(流れの方向とトランスデューサの向きの関係)依存性などについて、理論および実験の両面から調査するとともに、実際に生体を対象とした臨床実験を試作して実用上の問題点を検討した。 具体的な内容を以下に列挙する。 〔1〕本年度以前に行なった実験とその結果を検討し、より高精度の測定を行うことのできる実験システムを設計し、製作した。(5〜8月) 〔2〕上記期間に製作したシステムを使用して、血管を模したファントムによる実験を行い、上述の(1)測定精度、(2)音場依存性および(3)方位依存性などの各種の基礎データを収集した。次にそれを整理して検討し、システムの性能を定量化することによって、本方式の可能性を明らかにした。また、実験の結果と理論的解析の結果を比較して検討した。(9〜11月) 〔3〕実際に臨床に応用するための実験を試行し、測定感度、測定可能領域など、実用上の問題点を検討した。(12〜2月) これらの研究を通して、本手法が(1)ドップラー法の苦手な極低速の領域をカバーできること、(2)流れの方向に対して垂直な方向からの計測が可能(これは、ドップラー法では不可能)なことが確認された。また、実際に人体肝臓における門脈の血流に対してその流速を測定することができた。この手法の実用化に成功すれば、生体内の毛細血管内を流れる血流の計測や、地底または壁内に埋設されたパイツ中を流れる流体の流速計測等を簡単かつ高精度で行なうことができるようになる筈である。
|