研究課題/領域番号 |
63550371
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 和也 京都大学, 工学部, 助教授 (50026126)
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研究分担者 |
細田 尚 京都大学, 工学部, 助手 (10165558)
綾 史郎 京都大学, 工学部, 講師 (00026361)
松尾 直規 中部大学, 工学部, 助教授 (20093312)
岩佐 義朗 京都大学, 工学部, 教授 (50025821)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 湖沼 / 数値解析 / 流動拡散 / 水質予測 / 貯水池 / 水温成層 / 吹送流 |
研究概要 |
本年度においては前年度の成果をもとにして、より詳細な解析法を展開した。まず、湖沼の水質変化に重要な影響を与える流れおよび物質輸送について、とくにそれらの局所的な挙動を、問題となる箇所において細格子、それ以外では粗格子を用いて数値解析する粗細格子法を開発した。この方法で最も問題になるのは、粗・細格子の接合であって、本研究では仮想格子をそれぞれ他の側に考え、この格子における従属変数を周辺のそれらから円挿計算によって求める方法を採った。この方法を琵琶湖に適用した結果、冬季に発生する南・北湖の密度流については、この流れによって比較的汚染が進んだ南湖の水が北湖に相当進入し、水質保全の面からこの流れに注目しなければならないこと、周辺の河川流入によって発生する流れについては、河川と湖との間の密度流的交換が支配的であり河川から流入するSS成分などはこの流れに従って湖へ分散することなどが明らかになった。 つぎに、これらの解析において重要な渦動粘性および拡散係数に関して乱れ理論による基礎的な考察を行い、kーεモデルおよびLESによる検討を行った。その結果、上述の諸係数を流れの状態に依存させ、数値解析の進行に伴ってこれらを変化させる方法がより合理的であることが知られたが、一方で境界条件の与え方がより複雑になり、資料の乏しい境界条件をどのように補充するかが現実的に重要な問題であることも明らかになった。 湖沼の形状を詳細に表現する方法として、ダム貯水池を対象に一般曲線座標による解析法を導入し、基礎式をこの座標系におけるものに変換するとともに、静水圧近似を用いた3次元解析により、貯水池の流れおよび水質の悪化しやすい滞留部の予測を行った。実際の問題への応用を考えれば、計算時間の抑制が、今後の課題である。
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