研究課題/領域番号 |
63550391
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市工学・衛生工学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
大村 達夫 岩手大学, 工学部土木工学科, 助教授 (30111248)
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研究分担者 |
海田 輝之 岩手大学, 工学部土木工学科, 助手 (30117072)
大垣 真一郎 東京大学, 工学部都市工学科, 助教授 (20005549)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1988年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | コリファージ / 不活性化 / 吸着 / 活性汚泥 / 散水濾床 / 生物膜 |
研究概要 |
(1)活性汚泥処理において、最終沈澱池越流水までの年平均除去率は大腸菌群、腸球菌およびコリファージでそれぞれ91.6%、97.0%および96.6%であった。一方、散水濾床処理においては、それぞれ96.4%、98.3%および81.5%となった。この結果より、コリファージの除去については、活性汚泥処理の方がより効果的であることがわかった。 (2)両処理方式の放流水においては、残留塩素が0mg/l〜1.52mg/lの範囲において、コリファージはほとんどのケースで検出され、もっとも塩素に対して抵抗性があった。また、腸球菌群も残留塩素が0.59mg/l以下において検出されており、大腸菌群より塩素に対して抵抗性があり、放流水の指標細菌としてより有効と思われる。このように放流水中に大腸菌群が検出されなくても、腸球菌群やコリファージが検出されており、放流水受容水域の公衆衛生学的な見地からの水質保全には注意を払う必要がある。 (3)検出されるコリファージのプラークの大きさにより、コリファージを分類する試みは、電顕写真による検索の結果疑問であり、今後の検討課題である。 (4)活性汚泥および濾床生物膜からの誘出実験により、活性汚泥混合液中においては、コリファージがほとんど汚泥に吸着して存在していることが明らかになった。また、コリファージは活性汚泥および濾床生物膜乾燥重量1mg当たり、それぞれ62.8PFU、33.4PFU吸着していた。したがってコリファージは散水濾床生物膜に比べて活性汚泥への吸着の親和性が大きいことがわかった。 (5)以上の結果を通して、コリファージは、下水処理過程で完全に不活性化されるのではなく、活性汚泥や濾床生物膜に吸着され、見かけ上、下水より処理されていることがわかった。
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