研究課題/領域番号 |
63550411
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡辺 史夫 京都大学, 工学部, 助教授 (50026267)
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研究分担者 |
六車 煕 京都大学, 工学部, 教授 (30025829)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 鉄筋コンクリ-ト / せん断 / 軸力 / 柱 / 曲げせん断 / 付着 / 鉄筋コンクリート / 変動軸力 / 設計 |
研究概要 |
地震荷重の下では、鉄筋コンクリ-ト構造における柱部材には、水平力の変動に伴い軸力の変動が生じる。この軸力変動は、中高層建物の外柱において著しく引張軸力の生じる場合すらある。一方、現在使用されている鉄筋コンクリ-ト部材の設計式は一定軸力の下での強度・変形特性に基づいており、変動軸力への対応はなされていない。本研究では、曲げせん断を受ける鉄筋コンクリ-ト柱の履歴復原力特性に及ぼす変動軸力の影響を明かにし、実際の構造物の構造設計時に有益な基礎資料を得ることを目的としている。この目的に沿って行なわれた実験および実験結果の分析より得られた結果を下に示す。 1.同一せん断補強筋を有する柱においては、上限軸力一定の場合よりも変動軸力の場合のほうが、柱の層間変形の増大に伴うせん断補強筋応力の進展が若干早い。しかし、その差は小さく実際の部材設計時には考慮しなくてもよいと考えられる。 2.変動軸力の場合よりも、上限軸力が変動せずに加わる場合のほうが異形軸鉄筋の付着割裂き作用が大きくなる。この現象は、軸鉄筋の付着応力及びダウエル作用の実測結果、供試体の破壊状況からも明かである。 3.上に述べた1.および2.の結果より、変動軸力を受ける柱のせん断および付着設計においては、上限軸力一定の場合にたいしてせん断破壊および付着割裂破壊が生じないように設計しておけばよいと考えられる。 4.変動軸力を受ける柱の危険断面の曲げせん断設計おいては、上に述べた3.によるせん断および付着設計に加えて、上限軸力時に対する曲げじん性設計が不可欠であり、必要に応じた横拘束筋の配置が必要である。横拘束筋の必要量は、拘束コンクリ-トにたいする応力ひずみ曲線モデルを用いて求められる。
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