研究課題/領域番号 |
63550430
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築設備・環境工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 徹夫 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (40150502)
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研究分担者 |
塩月 義隆 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (40150487)
片山 忠久 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (80017938)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 地盤内伝熱 / 水分移動 / 地表面熱収支 / 水分蒸発 / シミュレ-ション / 熱物性値 / 含水率 / 長期連続観測 |
研究概要 |
裸地、芝地、透水性アスファルト、アスファルトおよび、コンクリ-トの地表を実際の地盤の上に作成し、1987年9月から垂直表面分布および表面熱流の測定を開始し地表面の放射特性、対流熱伝達率等についても明らかにした。地表供試体近傍の地盤から採取した土壌を用いて、その熱伝導率、容積比熱を含水率を変えて測定した。併せて、土壌の電気抵抗値と含水率の関係も測定した。 長期測定結果によれば、透水性アスファルトおよびアスファルト舗装の夏季における表面温度の日平均値は40℃を越える日があるが、芝地、裸地の場合には、それより約7〜10℃低温になっている。また、裸地、芝地に比べてアスファルトおよび透水性アスファルト舗装の地中80cmにおける日平均温度は、年間を通して常に3〜5℃高い。また、電気抵抗値による土壌の含水率測定によれば、地表面からの水分蒸発のないコンクリ-ト舗装およびアスファルト舗装の下部地盤は常に高含水率であった。 前述の長期測定結果、土壌の熱物性値の測定結果を用いて地盤の伝熱シミュレ-ションを行なった。地表面からの水分蒸発、地盤内の水分移動の取り扱いによりAおよびBの2種類のモデルを設定した。モデルAは地盤内の熱物性値の含水率依存性を考慮し、地盤内の水分は土壌の含水率勾配により移動する。モデルBでは地盤の熱物性値は定数として取り扱い、地盤内の水分移動の影響を考慮せずに地表面での蒸発潜熱を地表面温度および蒸発比から求める。計算値と実測値の比較の結果、モデルAは、モデルBに比べて、より正確に現実の地表面での熱収支および地盤内の伝熱現象を再現する。但し、モデルBでも、地盤内の温度は実測値から大きく外れることはなく、地表面の日変動の応答性などを除いた長期的な変動を予測するのには十分な精度といえる。
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