研究概要 |
本研究は公共建築の用途変更の実態を明らかにすると共に,用途変更における平面変化の構造を分析して合理的な平面計画の考え方を示すものである。初めに、既往の研究,用語の定義,研究と調査の方法を示し、以下の事柄を明らかにした。 (1)我国の公共建築のストックは建設後15年未満のものが多く維持管理問題はいまだ顕在化していないが、大規模改修の必要な建物が急激に増加する10年後には大きな社会問題となってくる。 (2)公共建築の種類別に用途変更の傾向を見ると,建物の種類によって用途変更の生じる要因の経緯にはそれぞれ独自の特徴的傾向が見られる。 (3)用途変更の原因は以下の3つに分けて考えられる。(1)地域需要が質的量的に大きく変化したので建物がそれに対応していない(2)建物自体が原因ではない、建て替えできない外在的理由(3)建物が比較的新しく堅固である。 (4)典型事例のケ-ススタデイによって、(3)の具体的な内容を示した。 (5)用途変更前後のプランを以下の各項目について比較した。(1)面積,(2)道路及び敷地との関係,(3)室や空間の連結形=プランタイプ。その結果、施設の使用者、使用時間の長さ、使用内容等によってプランを変更する必要が生じる場所に違いがあることを明らかにした。 (6)用途変更を実現するために必要な工事を,改修工事グレ-ドで表現した。 (7)用途変更のためのデザイン手法を示した。
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