研究課題/領域番号 |
63550452
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築史・建築意匠
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山崎 正史 京都大学, 工学研究科, 助手 (40109038)
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研究分担者 |
増井 正哉 京都大学, 工学研究科, 助手 (40190350)
浜崎 一志 京都大学, 工学研究科, 助手 (00135534)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 山上伽藍 / 山岳寺院 / 景観演出 / 歴史的景観 / 三次元解析 / 環境デザイン / 景観分析 / 長谷寺 / 神護寺 |
研究概要 |
本研究は、山麓または中腹の斜面に位置する社寺で、境内または参道と境内との間に高低差を有すものを「山上伽藍」と定義し、参道・境内・伽藍の配置の特質およびそれによって演出される景観的特質を考察したものである。 「都名所図会」および「大和名所図会」に記載された社寺のうち山上伽藍といえるもの70事例について検討したところ、次のような特質が見られた。(1)参道の形態は直線、曲線を取るものがほぼ同数である(直線40%、曲線33%)。(2)境内の高低差では階段状と、離れた場所にある平坦地を山道で結ぶものがほぼ同数である(前者32%、後者28%)。(3)敷地は整形が以外に多く(57%)、整形および一部不整形がほぼ同数である。(4)建築物の配置は軸線上に並ぶものも多く(1列型38%、直交型11%)、自然地形に応じた自然型配置は以外に少ない(34%)。(5)敷地内の軸線と参道の関係では一直線(47%)と直角(20%)が多い。予想したより人工的で整形な配置形式が山中でも形成されている。しかし、これらのうち現代の実測地図があるものについて比較検討すると、図会では直線の軸線が地形に応じてわずかに曲がるものが多い。それと敷地の一部不整形、段差のある敷地を結ぶ道の位置と形状など、比較的小さな要因で自然な印象を山上伽藍は与えていると思われる。 京都神護寺について、実測によりコンピュータに三次元入力を行い、参道を含む境内全体の平面図・立面図・平行透視図を作成し、三次元解析を行った。その配置・景観上の特質をあげると、(1)参道は大きな屈曲によってほぼ3等分されるが、傾斜には変化がある。(2)敷地は整形・不整形の組み合わせで構成され、3段の高低差を有している。(3)建造物はほぼ直交軸上に配置されるが、2度程度のわずかなずれと屈曲がある。(4)高低差と境内の曲線の道などで、山中の自然な印象を演出している。全体として、人工的整形と自然な印象との拮抗する境内を構成している。
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