研究課題/領域番号 |
63550484
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属製錬・金属化学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
武田 要一 岩手大学, 工学部, 助教授 (30125603)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | スラグ損失 / スラグ-メタル平衡 / 分配平衡 / 銅製練 / 鉛製練 / 錫製練 / 酸化溶解度 / 二液相分離 / 銅製錬 / 鉛製錬 / 錫製錬 / 溶解度 / 平衡実験 / 二液分離 / 溶融製錬 |
研究概要 |
銅、鉛、錫の溶融製錬の基本原理は、原料中の脈石成分と不純物を溶融スラグ相に集め、目的金属を溶融状態で分離回収することである。このとき目的金属のいくらかは、スラグ相に溶解したり懸垂し損失するが、目的金属の回収率を上げるためには、スラグへの損失を抑えることが重要である。溶融製錬で形成される基本的なスラグであるFeO-CaO-SiO_2系スラグへのこれらの金属の酸化溶解度とスラグ組成、酸素分圧、温度の関係を明らかにするため、これらの金属の溶錬温度である1200ないし1300℃において、銅、鉛、錫をそれぞれこの系のスラグと平衡させ、試料中の酸素ポテンシャルを酸素濃淡電池で測定する実験を行なった。その際、酸素分圧とスラグ組成を可能な限り大きく変化させた。得られた知見を次に要約する。 1.スラグ中に銅は1価、鉛と錫は2価の酸化物として溶解し、スラグへのこれらの金属の酸化溶解度は各々の酸化の価数に応じた酸素分圧依存性を示す。 2.FeO-SiO_2二成分系スラグにはCaOを、FeO-CaO二成分系スラグにはSiO_2を添加することにより、銅と錫の酸化溶解度は低下する。2CaO・SiO_2飽和の液相線上でFeO濃度の低いスラグに銅と錫は最も酸化溶解しにくい。これは塩基性のCaOを酸性のSiO_2で中和することにより、熱力学的に安定名スラグ融体が生成するためである。 3.PbOはSiO_2と強い親和力を持つので、SiO_2の活量の高いスラグに鉛は酸化融解しやすく、SiO_2の含まないFeO-CaO二成分スラグに鉛は酸化溶解しにくい。鉛の酸化溶解損失の低減には、SiO_2の含まないスラグをつくるか、SiO_2を含む場合にはCaOを添加し中和すると効果がある。
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