研究課題/領域番号 |
63550490
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属製錬・金属化学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
武津 典彦 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80029355)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 固体電解質 / プロトン導電体 / 固体電気化学 / 同位体効果 / 重水素 / 同位体分離 / 高温水蒸気電解 |
研究概要 |
高温で安定なプロトン導電性固体電解質SrCeO_3(+Yb_2O_3)中の水素イオンの移動現象における同位体効果を調べ以下の結果が得られた。 1.電気電導度の同位体効果を調べた結果、以前に筆者が報告した電導機構から殆ど水素イオン(プロトン)電導と予測できる条件において明瞭な同位体効果が観察された。その違いは古典的な移動論から説明できた。 2.本電解質に対する水素の溶解度は以前我々が推定した値に近く、他の酸化物に比べて非常に大きな値であった。また、溶解度には実験精度の範囲内で同位体効果は認められなかった。 3.本電解質に対する水素の溶解に関して、観察された化学拡散係数にも同位体効果は認められなかった、これは、本電解質の場合、溶解は酸素とのアンバイポ-ラ-拡散で行われるため、その同位体効果が減殺されたものと考えられる。 4.本電解質から熱放出されるガス成分を調べた結果、高酸素分圧においては以前に筆者らが提出した欠陥のモデルが妥当であるが、低酸素分圧においては水素の溶解に関して別のメカニズムの存在が明らかとなった。 5.本電解質を透過するガスの量を種々の条件において調べた結果、透過のメカニズムは以前に報告した欠陥のモデルを用いてリ-ズナブルに説明できることが明らかとなった。また、電解しない場合でも軽水素が重水素よりもほぼ1.9倍透過し易く、電解した場合にはその比は3.5倍に到ることが明らかとなった。これは、移動度、溶解度の同位体効果では説明できず、電極反応速度において大きな同位体効果が生じているものと考えられる。 以上の結果からこの材料が高温に於ける重水素分離隔膜として利用できる可能性が明らかとなった。
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