研究課題/領域番号 |
63550508
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属加工
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大森 正信 広島大学, 工学部, 教授 (90034321)
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研究分担者 |
伊藤 操 広島大学, 工学部, 講師 (50144879)
吉田 総仁 広島大学, 工学部, 助教授 (50016797)
柳沢 平 広島大学, 工学部, 助教授 (50034393)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ニッケル-クロム合金 / 中間温度ぜい性 / 粒界低性破壊 / ひずみ速度 / ニッケル粉-クロム粉焼結材 / 粒界延性破壊 / 粒界割れ / 圧延加工性 / セレーション |
研究概要 |
純ニッケル、80%Ni-20%Cr溶製合金、50%Ni-50%Cr溶製合金および50%Ni-50%Cr合金アトマイズ焼結材の高温加工特性を真空中引張り試験によって調査した。準静的変形時に純ニッケルは約1100Kを中心に顕著な変形能低下を示したが、他のNi-Cr合金も同様の挙動を示した。この中間温度位における加工性劣化(中間温度ぜい性とよぶ)はいずれも粒界延性破壊の生起によるものであった。 この中間温度ぜい性は、変形速度を高めると、純ニッケルの場合にはひずみ速度約10^<-1>S^<-1>以上になると完全に消減し、他の3種類のNi-Cr合金の場合もかなり消滅に向かった。これらの挙動は、銅およびその合金で知られている中間温度ぜい化挙動と酷似している。ただし、微細組織をもつ50%Ni-50%Cr合金アトマズ焼結材での中間温度ぜい性は比較的顕著ではなかった。 結論として、ニッケル基耐熱合金の基本系であるNi-Cr合金の中間温度域における加工性劣化は、結晶粒界が粘性的性質をもっていることに由来しているものと考えられた。したがって、ニッケル基耐熱合金の中間温度ぜい性を生起させないための方策としては、たとえば適当な合金元素の添加などによって粒界の性質を変えることが必要となる。 比較のために、Ni粉ーCr粉焼結材の高温加工性も調査した。この焼結材はNi粉とCr粉の混合体であるため、低温側ではCrのぜい化のために、また高温側ではNiとCrの熱膨脹係数の差が両金属粉間に引張り熱応力を発生させるために、加工性は劣化した。最良の加工性は700〜900Kで得られた。
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