研究課題/領域番号 |
63550515
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
成田 敏夫 北海道大学, 工学部, 助教授 (60001252)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | セラミックス・金属接合体 / Cu-Ni-Tiろう / 超音波顕微鏡 / 残留熱応力 / 表面弾性波 / 高温強度 / 高温酸化 / 接合層の組織 / 残留応力と外力の相互作用 / 窒化ケイ素セラミックス / ジルコニアセラミックス / 窒化珪素セラミックス / セラミックス / 金属接合体 / 拡散処理 / 接合層の改質 / 接合体の強度 / セラミックスと金属の反応 |
研究概要 |
高強度で信頼性に優れたセラミックス・金属接合対を作製するとき、セラミックスと金属を強固に接合するためのろう材の開発(1)、接合層の組織の解明とその改質(2)、接合対には残留熱応力が発生するが、この応力の低減法の開発(3)、ならびに評価法の確立(4)、接合対を高温で使用するための高温強度の向上(5)、および高温酸化の防止(6)、などが重要な課題であり、本研究では昭和63年度と平成元年度に亙って、前述の各項目について、実験・計算の両面から研究を遂行した。以下にその概要を示す。 (1)Ti(1.5μm)とCu(20μm)の箔をNi中間材の一部と溶解し、強固な接合を可能ならしめる新しいろう材を開発した。 (2)前述のろう材による接合層にはCuが濃縮しているが、これを、熱処理することによってCuとNiの相互拡散を促進させ、Ni組成を増大させることにより、耐熱性・耐酸化性が著しく向上した。 (3)セラミックスと金属とを直接接合すると、熱膨張係数と弾性率の違いから、高温から冷却時に残留熱応力が発生し、強度を著しく低下させる。本研究では、Ni(t)/W(1mm)/Ni(1mm)の層状中間材を開発し、実験的に検討した結果、t=1.25mmのとき、最高強度220-240MPaが得られた。 (4)破断強度のNi厚さ依存性は残留熱応力と外力の相互作用の結果として生じる。本研究では、x-線回折法に替わる新しい非破壊評価法として、超音波顕微鏡による測定法を世界的に最初に提案した。本法を窒化ケイ素、ジルコニアセラミックスと金属との接合対に応用した結果、従来法では不可能であった接合界面近傍の評価が可能で、理論的にも未知の分野である接合対の破断機構に対する実験的証拠を与えることが可能である。今後、この超音波顕微鏡による方法をさらに発展させる予定である。 (5)本研究で開発した接合対の強度は、室温での220-240MPaから温度とともに増大し、400℃での280-300MPaの後、徐々に低下したが、800℃で180-200MPaの強度を示した。この値は、世界的に最も高い強度である。 (6)本研究で開発した中間材は、600℃以上になると、W中間材が高温酸化により劣化するのが観察された。しかし、接合層とろう材層は健全である。今後、耐酸化性の中間材を開発する予定である。
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