研究課題/領域番号 |
63550557
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
篠塚 則子 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00013160)
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研究分担者 |
早野 茂夫 職業訓練大学校, 教授 (10013088)
河合 潤 東京大学, 生産技術研究所, 教務職員 (60191996)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | フミン酸 / 金属の濃縮 / スペシエーション / ESCA / 分析電子顕微鏡 |
研究概要 |
1.海底堆積物(日本海大和海盆)中よりフミン酸・フルボ酸の抽出を行った。フルボ酸の抽出には大量の溶液を樹脂に通す操作があるため、時間と労力が掛り、かつ灰分が多いので精製を繰返す必要があった。 2.精製したフミン酸およびそれを抽出した土壌を固体状態でテープ上に固定し、ESCAによる測定を行った。土壌からは次の元素が認められた。C、O、N、Cl、Fe、Al、Si、Sn、Ni、V、Mn、Cu、Na、K、2nの15種類で、湿式分解・ICP発光分光法による結果と定性的には一致している。フミン酸の分析では土壌とほぼ同様な元素が検出されたが、K、Na、Zn、等は認められず、Ti、P、S等が検出されたことが注目される両試料を通じ、Ni、V、Ti等の元素が検出できたことは、今後も含有元素の検出のためにESCAの測定が有効であることを示している。試料が微量で良く、また前処理を必要としないので利用できれば大変便利である。 3.固体試料を分析電子顕微鏡により分析した。固体フミン酸を破砕し銅にカーボン支持膜を張った高分解能観察用マイクログリット上で観察した。その結果、糸くず状高分子有機物、250nm位の結晶粒がみられ、結晶粒はそのEDXスペクトルから構成元素はFe、Ni、Co、Mn、Si、Al、S、Cl、Oなどであり、単一の結晶粒ではなく、鉱物粒子、金属酸化物等が固まったものと推定された。別の10nm位の微結晶はEDXスペクトルよりFe、Si、Cu、Oなどが検出され、鉄を主成分とする鉱物と考えられた。固体フミン酸は電子線に対して安定で分析電子顕微鏡により、微量の試料から多くの情報が得られることが明らかになった。 4.固体状態のフミン酸を用いて含有する金属・鉱物のスペシエーションを行う可能性について検討した結果、ESCA、分析電子顕微鏡の有効性が明らかになった。より詳細な解析から多くの情報が期待される。
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